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妖怪談義 [書評]

民俗学の大家である柳田国男の妖怪に関する考察をまとめたもの。妖怪を生み出す背景にある昔の日本の人々の自然に対する畏怖、死生観などが読み取れ、興味深い。個人的には、河童と山男に対する博学、おばけと幽霊の違いの分析などが面白かった。本書は1956年である。ちなみに著者は1962年に亡くなられているので、本書はまさに晩年にまとめられたもので、そういう点で、これまでの妖怪に対しての思索の総集編というような趣がある。文章によってはごく短いものもあったりするが、読み応えはある。


妖怪談義 (講談社学術文庫 135)

妖怪談義 (講談社学術文庫 135)

  • 作者: 柳田 國男
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1977/04/07
  • メディア: 文庫



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