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『スパイナル・タップ』 [映画批評]

架空のヘビメタ・バンドのドキュメンタリーという、モキュメンタリー、つまりうそドキュメンタリー作品である。これが、同じようなロックバンドのドキュメンタリー作品である『アンヴィル』との大きな違いである。しかし、このモキュメンタリー作品、やたらリアリティを感じさせ、そうそう、そういうのありそうだよね、と妙に納得して見入ってしまう。実際、公開時にはジョークと分からずに、実在のバンドが存在すると思った人も多かったらしい。また、フィクションとして分かっていて見たとしても、パロディが多く含まれており、そういう点でも楽しめる。例えば、前メンバーのドラマーの死因は、キース・ムーン(ザ・フー)やジョン・ボーナム(ツエッペリン)と同じであるし、ボーカルの彼女がやたら口出しをしてバンドを解体させるところは、オノ・ヨーコとビートルズを彷彿させる。また欧米で人気が凋落したバンドが日本で受けて、コンサートを日本でするというのは、『アンヴィル』のパロディかとも思ったが、つくられた時期は『アンヴィル』の方が遅いので、『アンヴィル』のエピソードが嘘から出た誠、みたいなものかもしれない。とはいえ、この作品は、このようなロックバンドが好きな人たちには受けるが、そのようなことにあまり関心がなければ、面白くないかもしれない。そういう点で、カルト的な作品ではあるかもしれない。ちなみに、スパイナル・タップの出演者は皆、楽器演奏ができ、実際、ロック・コンサートを行ったりもしている。しかも、ロイヤル・アルバート・ホールやウェンブリーとかで。ピンク・フロイドのデビッド・ギルモアも飛び入りでライブに参加してりもして、これこそ、まさに嘘から出た誠のようなものだ。下記のユーチューブで見られます。

http://www.youtube.com/watch?v=6gESFElAOpQ

http://www.youtube.com/watch?v=4QQzDx47L1I


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  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • メディア: DVD


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