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ソフィア王妃芸術センターにてゲルニカを観る [地球探訪記]

マドリードに来ている。トレドに行こうとアトーチャ駅に行くと、12時20分の前の列車は満席だと言う。ちょっと意外であったが、しょうがないので、その列車を予約して、どこかで2時間ほど時間をつぶすことにした。プラド美術館がそばにあるので、2時間は短すぎるだろうが、まあ駆け足で見ればどうにかなるだろうとそこに向かう。しかし、なんと10時ちょっと過ぎであったが、入り口は長蛇の列。これでは、とても時間がないと諦めて、さてどうしたものか、と考えていたら、駅の前にソフィア王妃芸術センターがあることに気づく。ここも、とても持ち時間は少ないが、駆け足で見ても見ないよりはいいだろう、とりあえず、ゲルニカだけはチェックできるだろう、とそちらに向かう。

さて、しかし、この美術館、思ったより相当、面積が広いのとオリエンテーションが悪いので、なかなか無駄な移動に時間が取られる。さらに、さらっと見て、ゲルニカの場所に急ごうと思っていても、ミロやダリ、そしてピカソの膨大なるコレクションを目の前にして、足が止まってしまう。特に、この美術館が保有するダリの作品群はすごい。というか、ダリの絵の実物は、すごく細かい部分にまで筆が入っており、人の想像力を刺激するような仕掛け、表現がまさにてんこ盛りであり、ゆっくりとじっくりと鑑賞をすることを強いるような力を有している。絵と鑑賞者が対話をしなくては、絵のメッセージが分からないのである。ということで、ゲルニカにたどり着いた時には、もう列車の発車時刻が近づいていた。ゲルニカもゲルニカで、一つの絵画作品というよりかは、絵巻物のようなものなので、その鑑賞には時間を要する。この絵に込められているストーリーは様々なものがあるため、ゲルニカと睨めっこをするような状態になってしまう。しかし、睨めっこをするのに時間の制約があるのだ。もったいないことであった。

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さて、私ごとであるが、個人的にこのゲルニカという絵にはとても思い入れがある。というのも、高校時代、私の部屋に、ゲルニカの結構、大きなポスターを張っていたからだ。そういう点で、この絵はポスターではあるが、しょっちゅう見ていた。ということで、高校時代などは、いつか実物が見てみたいと強く思っていたが、そんなことは年を取ったら忘れてしまい、マドリードに来ても、さっきまで忘れていた。しかも実物をみた感想も、感動に震えるというよりかは、思ったより小さいな、というものであった。つくづくつまらない大人になってしまったものである。

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