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台湾国立大学にて講義をする [グローバルな問題]

台湾国立大学にて親友のシェン教授の講義にて、講義をする。民族的アイデンティティの対立といったテーマだったので、ブラジルで学生達が参加したカーナバルのパレードの写真を見せた。このパレードのコンセプトは「日本」。しかし、日本人の私はもちろんのこと、台湾人の学生達からしても、そのパレードは「日本」的なものからはほど遠く、結構、受けた。しかし、まあ、このように他文化に対しては往々にして誤解をしてしまうことがあるが、それはそれで、どの程度嘘なのか、というと解釈が難しいといった説明をした。例えば、ディズニーランドは恐ろしくアメリカ的なものであると思われているが、日本のディズニーランドは、結構、アメリカ70%、日本30%程度には日本化、すなわち、ジャポナイズされている。開業当初はそれこそ、アメリカ90%ぐらいであったが、徐々に日本化されて、今では、これがアメリカ的なものかは疑わしい。もちろん、アメリカ的なるものも、世界中からの影響を強く受けている。というか、そもそも本当にアメリカ的なるものは、アメリカ・インディアンしか有していないとも考えられるので難しいのだが、食事などはアメリカ料理の代表的なものといえば、ハンバーガー(ドイツ)、タコス(メキシコ)、ピザ(イタリア)とその起源は皆、他国である。アメリカ・オリジナルなんてジャズとコカコーラぐらいじゃあないのか、と思うぐらいだ。コカコーラのコカだって、南米が起源と考えられなくもない。ということで、一国の文化や民族のアイデンティティの解釈は結構、難しいといった話をしたのである。それは、往々にして思い込みから成り立ってしまう。芸者、侍、富士といった紋切り型で解釈してしまうような思い込みである。そのような思い込みを超克して、しっかりと自分の目で理解をすることが必要であるのだが、知識が不足していたり、状況をしっかりと把握しようとしないと、そのような思い込みに依存したがったりする。そして、それは文化的コンフリクトに繋がる。それは、原発問題にも相通じることだ。しっかりと自分の目で事実を知ろうとする姿勢を維持していれば、対立は解消できるのではないかと思われる。まあ、そういった感じの話をした。日本の学生よりずっと熱心だったので、私も講義をしていて楽しかった。

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