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近鉄名古屋駅で、おそらく日本の私鉄が世界的にも最高水準の公共交通サービスを提供していることを確認する [グローバルな問題]

伊勢志摩に向かうために、名古屋駅で新幹線から近鉄特急へ乗り換えようとした。乗り換え用の改札口で、賢島に行きたいのだけど、と尋ねると「1時間ほど後の特急になる」と言われる。それは困るなあ、と思っていると、「すぐ出発する特急はあるけど」と言われる。みると、16時10分発の特急がホームにいる。時計は16時09分を過ぎている。これは駄目か、と諦めていたら、「とりあえず列車内で精算してください」と言われて、乗車駅証明書という青い紙を渡され、自動改札も手動で開けてもらった。列車は出発を合図するベルが鳴っていて、まさに間一髪であったが飛び乗ることができた。

このサービスには驚いた。ドイツであれば100%あり得ないサービスだ。というのは、このようなサービスをしても鉄道会社には何もいいことがないからだ。平気でぐだぐたと人を待たせるのは当たり前である。これがフランス、イタリアとなるとさらに酷い。そのような経験をした私としては、このような日本の公共交通サービスのよさに心の底から感動してしまうのである。よく、日本は製造業が国際的に競争力があると言われているが、本当に競争力があるのはサービス産業であると思う。これは他国の追随を許さない。しかし、日本人相手だとどこもいいサービスをするので、あまり感謝されない。外国人相手の観光産業において、強みを発揮できる筈だ。

日本の経済は沈滞している。しかし、観光産業はまだ需要があまり開拓されていないこともあり、今後、成長する余地が大きい。そのためには、海外の人に日本のよさを知ってもらうような施策を展開すべきであろう。特に、都市景観や歴史建造物を蔑ろにする現行の施策は、せっかくの貴重な資源を台無しにしてしまっている。おそらく、観光という施策を、土木行政の国交省が管轄していることが間違っているのではないだろうか。サービス産業の極めて優秀なことは観光産業において、飛び切りの資源である。これを活用して、「死ぬ前に一度、日本を訪れたい」というような観光国をつくっていくことを今後、目指すべきではないだろうか。原発推進策は、そういう点からもまさに逆を行っている。

というようなことを近鉄名古屋駅での素晴らしいサービスを体験したことで思ったりする。伊勢志摩ではドイツ人の友人と合流する。彼もまた日本のサービスの優れている点に常に感銘を受けている外国人の一人である。

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