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イチローの名言「0か100かって考え方が人間の嫌なところ」 [スポーツ]

今季、イチローは200安打を達成できず184安打でシーズンを終了した。10年間続けていた記録が途絶えたのである。日本時代から17年間続けた打率3割も逃した。張本氏はテレビで次のように述べた。「今年のイチローほど悪いのは見たことがない。一番の問題は脚力。盗塁の数は減っていないが、打った瞬間の1歩目だね。」一方、大リーグのコーチや対戦相手は全然、そう思ってはいないようで、マリナーズのチャンプリス打撃コーチは「体もスピードも問題ない」といい、アスレチックスのカート・スズキ捕手も「昨年との違いは感じられない。いつも彼は危険な打者」という。イチロー本人は、「200本って、結構難しいんです。皆さんが思っているより、もうちょっと難しいんですよ」と報道陣に笑顔で答えたそうだ。流石だ。

さらに私が感心したのは、次の発言である。
「面白いのは今年200を打つと、またみんなスゲーってなったと思うんですよね。やらないと、なんだこのヤローって。0か100かって考え方が人間の嫌なところ」

イチローほどのレベルに到達していると、200という数字にはそれほど意味がないのであろう。このような細かい数字に拘っているということが、我々がいかに人間として小物であることを思い知らされる。もし、この数字が180であったら、イチローは180安打を11年間連続続けたということになる。ここで、ヒット数180と200の違いというのは本質的ではない。さらにいえば199と200にそんなに大きな違いもない。200は十進法的にキリがいい数字ではあるが、野球的にはそれほど意味はない。そして、このような本質的でないことに、結構、我々は日々拘ったりしている。それらの拘りの多くは、非効率的で不合理であったりもする。そのようなデジタル的な「0か100かって考え方」を「人間の嫌なところ」として処理してしまうイチロー。クールだ。やはり超一流の人間の思考は凄いなと思わされる。それに比べて、張本氏はちょっと俗物だなとの印象を受けてしまう(いや、イチローが出てこなかったら天才安打製造器の称号を自分のものにできていたのでしょうが)。
タグ:イチロー
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