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ピーター・グリーナウェイの「レンブラントの夜警」 [映画批評]

「光の画家」「光の魔術師」と呼ばれたオランダの画家レンブラントの「夜警」にまつわる話を描いた映画。監督は、映画界の「光の魔術師」とも形容できるイギリス人のピーター・グリーナウェイ。本作の特典であるグリーナウェイの取材では、レンブラントは「映像表現」の草分けであると語っている。「彼は光で遊び、映画も光で遊ぶ」とも述べている。このような認識をもつグリーナウェイであるから、本作の映像美は傑出したものがある。その美しい映像は、それだけで観る者を惹きつける。この映像の美しさが「主役」で、話の筋は「脇役」なのではないかとの印象さえ受ける。とはいえ、話の筋はしっかりと展開していき、決して飽きることはない。演劇的なセッティングは、この映像の美しさを演出するために極めて有効に働いており、俳優達の演技も人を強く惹きつける力を有している。他のグリーナウェイの作品に比べると、グロテスクさが少なく、そういった点では衝撃度は少ないが、逆にそれだからこそ広く、一般に受け入れられやすいのではないかと思われる。


レンブラントの夜警 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD



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