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井上雄彦『リアル』10巻 [書評]

発売日に購入。数少ない発売日を待ち遠しいと思う本である。もちろん、1年に1度しか販売されないという長いインターバルもあるとは思う。それをわずか30分で読んでしまう。勿体ない・・。

さて、それはともかく、前巻も本巻も未来に起こりえる大きなドラマの間のプレリュード的エピソードが描かれている。前巻で、バスケット・コートで思いにふける高橋は、車椅子バスケという可能性を見出す。いよいよ、高橋も車椅子バスケの世界に入っていくのか。しかも、戸川達との最大のライバル・チームであるドリームスに入りそうな状況である。今後の展開にわくわくさせられる。戸川は癌が転移せず、とりあえずは将来への明るい展望がみえる。そして、野宮は山路先輩の大学バスケチームの練習試合に出場。大きなポテンシャルと可能性を見出す。しかし、母校の卒業式に行き、演説をするというのは多少、演出としてはやり過ぎか。3人とも、これからの大舞台が一歩一歩近づきある状況を描写しており、それは面白く、緊張感も高まる。本巻は野宮が東京ライトニングのトライアウトを受ける直前で終わる。いよいよ次巻は、緩やかなる流れで河を下りてきた船が激流に突入していくような展開になるのであろうか。様々な困難な条件を抱えつつも、夢を求めて生きていくことを賢明に足掻く、素晴らしき人生賛歌の物語は、これから佳境へと突入していく。

発売日にして、既に次巻が待ち遠しい。この素晴らしい物語と同時代に生きていることに感謝したくなる気持ちにさせられる。

REAL 10 (ヤングジャンプコミックス)

REAL 10 (ヤングジャンプコミックス)

  • 作者: 井上 雄彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/11/26
  • メディア: コミック



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