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キーンの『アイアン・シー』 [ロック音楽]

3枚出したアルバムがすべて全英ナンバーワンとなった、今やイギリスを代表するメロディアス・ロック・バンドの2006年に発表した2枚目であり、個人的には3枚中最も気に入っている一枚。このロック音楽不毛の時代においては、救世主的な存在かもしれないが、ロック黄金期においてはそれほど関心をもたなかったようなバンドであったかもしれない。とはいえ、キャメルよりは確実に優れているし、個人的にはエイジアよりもずっといいと思う。しかし、ジェネシスの『デューク』や『そして3人が残った』、『トリック・オブ・テイル』、ピンク・フロイドの『ウォール』などを聴いてきたものとしては、なんか音の存在感が弱く感じられる。アラン・パーソンズ・プロジェクトよりもメロディー・センスも劣っている印象を受ける。

一方、この時代に、すなわちこれだけ多くのロック音楽が世に出された後に、このようなキャッチ−なメロディーを紡ぐ能力は傑出したものがある。彼らの2枚目のアルバムにあたる本作は、特にメロディアスな曲がいくつも収められており、まさに音の万華鏡のようだ。1曲目の『アトランティク』から最後の『ザ・フロッグ・プリンス』(日本版は『レット・イット・スライド』)まで、幸福なメロディーの海に浮かんでいるかのような感覚に囚われる。ロック音楽不毛の時代であるからかもしれないが、貴重な才能であり、その才能が結実されたのが本作であると考えられる。

アンダー・ザ・アイアン・シー-深海-

アンダー・ザ・アイアン・シー-深海-

  • アーティスト: キーン
  • 出版社/メーカー: USMジャパン
  • 発売日: 2009/03/04
  • メディア: CD



タグ:キーン
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