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ベックムのソーラー住宅を訪問する [サステイナブルな問題]

ノルトライン・ヴェストファーレン州のベックムにあるソーラー住宅を訪問する。ハムからバスで20分ほど行ったところにある。この住宅地はセメント工場のための採石場跡地につくられた。1997年から98年につくられたので、もう12年ぐらい経っている。ノルトライン・ヴェストファーレン州は90年代に50のソーラー住宅地を建設することを掲げ、ある程度の補助金をも与えることとした。その結果、57のソーラー住宅地がつくられるのであるが、これはそのうちの一つである。

敷地面積は7ヘクタール。そのうち、住宅が占めるのは1.7ヘクタール。そのうち太陽光を利用しているのは5000㎡。55戸の住宅が企画され、そのうち実現したソーラー住宅は20戸であった。全戸がソーラー住宅にならなかったのはマーケティングがうまくいかなかったためである。ソーラー住宅にするには2万ユーロほど余計に支払わなくてはならない。そのうちの半分は補助金を受けることができるために、実質的な負担は1万ユーロほどであるが、それにしても、12年前、この価格負担は大き過ぎると考えられた。とはいえ、現在まではほとんど販売されていて、今、売れ残っているのは3軒。ここの住宅の土地代は道路建設などの共益費を含めて1㎡当たり105ユーロ。駅から遠い、公共交通のアクセスが悪いなどのデメリットはあるが、それでも安いと思われる。

実際、一つの家を訪れてみた。ヘルネさんという方の家で、ご主人と奥さん、そして幼稚園に通うぐらいの女の子の3人家族である。テラスハウスで地下室のある二階建ての住宅であった。庭はなかなかお洒落であり、この家で幸せな家庭を営んでいることが伺える。さて、興味があった経済面でのメリットを聞いてみる。ソーラーハウスだと、光熱費が年間だと380ユーロぐらいかかる。通常の家だと1500ユーロ。ということで年間1000ユーロぐらいは得をする。技術面では、この家はガスエネルギーを使っていて、コージェネレーション的に廃熱利用に工夫がされていた。また、換気によるエネルギー・ロスを少なくしている。

1000ユーロほど年間で得をするのであれば、1万ユーロの余計な出費は10年で回収できる。しかし、この計算がなかなかドイツでもできなかったのは残念なことである。しかし、訪れた家からも推察されるのは、ソーラー住宅の豊かさである。単に光熱費を節約できるだけでなく、この快適性は環境共生住宅で住むうえでの大きなメリットであることを再確認した。

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