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金沢の社会実験「まちのり」を試してみる [都市デザイン]

金沢の街中では、自転車のレンタルの社会実験「まちのり」が行われている。これは、金沢の街中にある10ぐらいのスポットから自転車を200円で借りて、これを上記の10スポットに30分以内で返却すれば、その日は何回でも追加料金なしで自転車を借りられるというものである。これが30分以内で返却できないと追加料金が取られる、ということで借りている間は、一生懸命自転車で移動しなくてはならないという興味深い試みである。金沢の街中は自動車で移動するのは大変だし、駐車場をみつけるのは面倒だ。しかし、歩いて移動するにはちょっと観光スポットは離れている。ということで、中間の交通手段で自転車に注目するのは理に適っていると思われる。

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(「まちのり」のレンタル・スポットの一つ。これは兼六園のそばのものである)

ということで、借りてみた。さて、気づいた点は一部の河川沿いを除くと、自転車で移動するのは危険だ。思わず、道交法に反して歩道を走ってしまう。この点を改善させることが自転車を普及させるためには何より重要であろう。もう一点は、このシステムは人件費が恐ろしくかかるということである。おそらく、現状はボランティアがやってくれているのであろうが、実際、スポットごとに人材を配置させるとなると相当の人件費がかかる。この点をどうやってクリアしていくのか。200円の使用料ではとても賄いきれないので、市が補助金を出すことになるだろう。とはいえ、この自動車利用による経済的マイナス面も大きいので、補助金を出すことは合理化できるとは思える。まあ、総じて金沢のような規模の都市では自転車での移動が非常に好都合であることは体感できたが、そのためには自動車の車線を減らすことなどを含めて、自転車移動に優しい街づくりが必要であるし、また自転車が増えると、歩行者とのバッティングが起きるので、その点でも改善することが求められる。進むべき方向はまさに正しいとは思われるが、いろいろと知恵が必要であるなと思わせられた。

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