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ダルムシュタットのマチルダの丘を訪れる [都市デザイン]

フランクフルト空港でのトランジットの時間が6時間もあるので、それまで行こうと思って行けなかったダルムシュタットまで頑張って足を延ばす。ダルムシュタットはそんなに特徴のない都市ではあるが、ドイツの都市計画手法であるIBA(国際建設展)が、マチルダの丘という地域にて最初に行われた都市なのだ。ちょうど、竹中工務店の広報誌アプローチのIBAの特集記事を監修させてもらっていることもあり、思い切って足を延ばした。さて、ダルムシュタットにおいてIBAが実施された時はまだインターナショナルのIもなく、純粋なる建築展であった。そして、今でこそ建設展の嚆矢として捉えられているが、当時は芸術村ということで、単に建築だけでなく、内装、生活必需品など、このコミュニティの場所とものすべてが一つのテーマに沿ってデザインされる。このテーマはアール・ヌーボー(ドイツ語ではユーゲント・シュティール)。その展示は1901年にされるのだが、100年以上経っても保全されているのが建築展のよいところ。実際、訪れたマチルダの丘は、なかなか個性のある質の高い建築や彫刻などによって彩られ、アメニティに富んだ優れた空間であった。100年前であれば、これからの建築の可能性を大いに人々に期待させたことであろう。現在では、まったく進歩しているどころか、むしろ退歩していることに気づかされ、逆に人々を落ち込ませる効果があるのではないだろうか。特に日本人はそう思うのではないのか。私は結構。落ち込んだ。自分の住まいとあまりにも差があるからである。
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それはともかくとして、なかなか訪れる価値の高い場所である。都市計画や建築、パブリック・アート、ランドスケープに関心がある人はちょっと足を延ばすといいであろう。とはいえ、ドイツに1年も住んでいても訪れなかった私が言う科白ではないのだが。ただし、マチルダの丘は駅からは遠い。路面電車かバスなどを使った方がいいであろう。少なくとも駅からルイーゼン広場までは公共交通を使うといいであろう。ルイーゼン広場からはダルムシュタット工科大学を通って10分くらいで到達できる。

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