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IBAザクセン・アンハルトの最終報告の展示会に行く [都市デザイン]

デッサウのバウハウスにて、IBAザクセン・アンハルトの最終報告が展示されている。ということで、観に行くこととした。ちなみに、私は、竹中工務店が発行している『アプローチ』という雑誌の9月発行号に掲載される「ドイツのIBA事業」の特集記事の編集の仕事をさせてもらった。そういうこともあり、このIBAザクセン・アンハルト事業をバウハウスがどのように総括したかは大変興味があったのである。

さて、この展示会自体は、あまり人も多くなく、率直にいうと、その展示内容もそれほどパッとしたものではなかった。とはいえ、バウハウスという世界遺産に指定され、それなりの集客力を誇る観光地において展示会をやることで、随分と来訪者はアップされているのではないかとも推察される。

展示内容は、自治体が展示した情報は、資料としても入手できず、コピーもさせてもらえず、自治体に直接、連絡して交渉してくれ、と言われた。それは私のドイツ語ではとてもきついし、面倒臭いので、しょうがないので興味深いところだけはメモを取ったりしたが、これはちょっと不親切だなとも感じた。

さて、この展示会で改めて確認した点をも含めて、興味深い項目を掲げると以下のようになる。
・ 旧東ドイツでは、1989年には35万戸の空き家があったが2000年には100万戸まで増えた。
・ 2001年から施行された「Stadtumbau Ost」によって2009年までに35万戸の建物を倒壊した。さらに2016年までに20万戸を倒壊する予定。
・ 1993年から1998年までの間、ハレ、マグデブルクは10%以上の人口を郊外の自治体に失う。しかし、このトレンドは沈静化し、むしろ逆流する動きさえ見られるようになっている。
・ このような郊外化の動きはハレ、マグデブルク以外のザクセン・アンハルト州においてもみられる。その理由は、①GDR時代の家が劣悪であること、②政府による持ち家の奨励、③都心部の地主が不明瞭であるという問題、などである。このような郊外化の問題に対処するために、多くの都市は周辺の自治体を合併して対応。1990年から2010年まで、IBAザクセン・アンハルトに参加した19の自治体で周辺自治体を合併しなかったのは、世界遺産都市であるケドリンブルクとハレのみであった(ただし、ハレは東西ドイツ合併直後の1990年に隣接するノイシュタットと合併している)。
・ ちなみにノイシュタットは1990年に居住していた住民の50%が去ったという統計がある。
・ 世界遺産都市ケドリンブルクは6世紀に及ぶ1300戸の木造家屋が存在する。
・ ザクセン・アンハルト州は1995年の人口は300万人であったが、2060年には半分の150万人になると予測されている。同州が縮小時代において必要とされるのは、「将来へのビジョン」、「創造性」、「試みる勇気」であるそうだ。

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