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デュースブルクのラブ・パレードの惨劇は市当局の判断ミスが原因である [サステイナブルな問題]

デュースブルクで7月24日に開催されたラブ・パレードでの将棋倒しによる惨劇での死者は29日現在、21名にまで増えている。負傷者は340名以上と言われている。この惨劇が起きた背景には、市当局の過小な来場者の見積もり、駅から会場へのアクセス動線の不適切な処理、そして何より、警察などが実現は多くの危険を伴うと警告していたのを無視して実施した市当局の無責任さがある。このような事故の責任が問われかねない市役所の責任者の一人は、このイベントで事故が生じても私は責任を負わないという市長の言質を取っていたそうだが、まあ、それだけ実現が危ぶまれていたイベントであったというか、そもそもこの惨劇は必至であったということが伺われる。

実際、それ以前にボーフムでのラブ・パレードの開催が却下された理由も駅の処理能力に問題があるからであったことを考えると、今回のデュースブルクでの惨劇は人災であると言わざるを得ない。私の知人は、ルクセンブルクで会議をしていたら、この件が話題になって、「まさか、ドイツでこのような杜撰な計画が引き金となるような事件が起きるとは」と驚かれたそうであるが、確かにドイツらしくない無責任さが、この事件の背景にある。デュースブルクは、港の再開発、ランドシャフトパークでの重工業都市から環境都市へのイメージ脱却など、比較的、その都市イメージを改善させるために成功してきたと思われるが、この事件でそれらをすべてチャラにするようなイメージ的なダメージを受けた。まあ、イメージ的なダメージより21名の死者を出したということが許されない罪であると思われるが、計画そして事前に状況を推察して未来をシミュレーションする能力に極めて長けている国であるドイツにおいて、この惨劇が起きたことは、ドイツという国が大きく劣化していることを暗示しているような気がしてならない。

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