SSブログ

ヘルシンキのエスプラナーダは素晴らしい公共空間だ [都市デザイン]

ヘルシンキという都市が魅力あるかどうかは、多少疑問である。まず、ヘルシンキは同じフィンランドのトゥルクやポルヴォーといった都市と違って歴史がない。例えばポルヴォーのような歴史地区の持つアイデンティティがヘルシンキでは感じられない。ロシアが占領していた頃、ロシアの都合でつくられた都市である。それも100年ちょっと前だ。新興の工業都市や行政都市に共通する何か底の浅さのようなものが感じられるのである。

とはいえ、魅力がない訳でもない。個人的には大聖堂やサーリネンの設計による中央駅といった建築には惹かれるし、大理石と湖や海岸線からなるランドスケープはとても魅力的であると思う。しかし、何より素晴らしいと思うのはエスプラナーダという回廊上の公園である。このエスプラナーダは距離が300メートルちょっとにしか過ぎないが、中心市街地と市場や船着き場とを結ぶ。歩道が舗装されていないことなどもよく、夏の夕方の木漏れ日の中、ここで時間を過ごすのはなかなかの贅沢だなと思う。以前、この都市を訪れた時もその空間のクオリティの高さに感心したが、その時の思いは今回の訪問でも再確認された。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0