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デュースブルクのトルコ人街を訪れ、ちょっとトルコに行ったようなプチ旅行気分に浸る [グローバルな問題]

ドイツはトルコ系が結構多くいる。大体人口の3.4%程度である。これは、1960年代の労働力不足時代に移民を受け入れたからである。1961年には7000人規模のトルコ系移民がドイツに労働者としてやってきた。1970年代前半にはヨーロッパで生活するトルコ人の8割近くがドイツで生活していた。現在ではほぼ280万人前後がドイツで生活している(ドイツ国籍を取得したものも含む)。

さて、このトルコ系移民はドイツに均等に居住を構えている訳ではない。彼らの多くは都心に住む。そして、旧西ドイツに多くが住んでおり、中でもベルリン、ケルン、デュースブルク、デュッセルドルフ、フランクフルト、マンハイム、マインツ、ミュンヘン、シュツットガルトなどの都市に多く住んでいる。そしてそれらの都市においてトルコ人街のようなものをつくり、彼らの文化・風習を継承するようなコミュニティを形成するのである。

その中でも最もトルコらしい街並みを形成しているのは、デュースブルクのマークスロー地区であろう。ここはニューヨーク・タイムスのクリストファー・コールドウェルの記事によれば「ヨーロッパにおけるトルコ人の結婚関連産業の首都」であるそうだ(New York Times, May 27, 2007)。デュースブルクのトルコ系の人口はおよそ6万6千人(ドイツ国籍を取得したものも含む)。これは市の人口の13%程度に相当する。さらに、マークスロー地区ではその比率は3分の1程度に及ぶそうだ。2008年にはドイツ最大規模のモスクもつくられた。

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ということで、このマークスロー地区を日本人の知り合いの建築家と訪問する。ここは4月にも来たことがあり、おそらく結構本格的なトルコ料理が食べられたので、その方面でも期待しての再訪であった。マークスロー地区はデュースブルクの最北にあたる。ルール地方の最西北ともいえる場所で、まだ周辺の工場は操業しており、たまに工場からの異臭が漂う。マークスロー地区に入ると、とたんに街の様相が変わる。ドラえもんのどこでもドアで移動したかのような劇的な変化であり、その中央道路の街並みの写真をみせてもそこがドイツであるとはなかなか分からないであろう。多くのウェディング・ドレスの店があり、街中を歩いている人は3分の1どころか圧倒的にトルコ系が多いような印象を受ける。まるでトルコに旅行したような錯覚を覚える。さて、トルコ料理店に入り、ケバブを注文する。トルコには行ったことがないので、本場の料理がどの程度美味しいかは分からないのだが、なんか本格的な料理を食べているような気分になる。飲み物は塩ヨーグルトのようなものを注文する。さて、食事をした後はせっかくなのでモスクに行く。ドイツ最大であるそうだが、マレーシアのブルー・モスクなど巨大なモスクを見たことのある私は、その小ささにちょっと拍子抜けする。とはいえ、キリスト教の教会が他の用途へと再利用を促されている状況を考えると、新しくモスクが出来るということはなかなか町にとってもいいことなのではないかと考えたりする。

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(トルコ料理屋で食べたドネルとケバブ)

デュースブルクのマークスロー地区。トルコへの旅費が不足している人には、ちょっとトルコ気分にさせてくれるこのマークスロー地区はお勧めである。

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(ドイツ最大のモスク)
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