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自動車不要コミュニティのシュテルヴェルク60を再訪する [サステイナブルな問題]

ケルンにある自動車不要コミュニティのシュテルヴェルク60を再訪する。このコミュニティの記事を雑誌『ビオシティ』に書いたのだが、その記事を取材に協力してくれた方に渡すためである。さて、そこでまた雑談をした。興味深かったのは、このような自動車不要コミュニティを実現させようとすると、行政には否定的な見解を示すものが多かったのだが、このシュテルヴェルク60の成功には正直意外で驚いたと告白している人が結構いるということであった。さらに興味深いのは、しかし、その後、このシュテルヴェルク60と似たようなプロジェクトがつくられていないそうだ。自動車不要コミュニティのメリットは、駐車場を整備しなくてもいいのでその分、お金が節約できることと、自動車を気にしないで子供たちが遊べたり、歩行することができたりする生活空間を確保できることである。まあ、自動車不要プロジェクトを整備することによって誰も損をしないのだが、何かが人々を敬遠させているようだ。それは、自動車を手放すことへの恐怖感であろうか。私などは、自動車を手放さないで生活を続けていることの方が長期的にはよっぽど怖いと思われるのだが。

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話は変わるが、私の住んでいる地区のアパートは古いので駐車場を設けていないところがほとんどである。従って、自動車を所有している人は路上駐車をすることになる。ある雪の日、隣のアパートの住民が路上駐車をする場所がないので、家の前に自動車を停めて、誰かが移動するのを待っていた。私が家に入って、しばらくして外を見たらまだ待っていた。どのくらい待つのかとチェックをしていたのだが、30分ぐらいは待っていた。随分と気の長いことだなと思うのと同時に、なんたる時間の無駄か、とその馬鹿なシステムに呆れた。つくづく、自動車を持っていないで経済的にも時間的にも得をしていると思う。こういう状況を体験していると、私が仮にドイツで不動産を所有するのであれば、是非とも自動車不要コミュニティにしたいと思うのだが、まあそのような機会はないから関係ないか。

他にも原子力エネルギーの話などで盛り上がったが、基本的には、これからピーク・オイルを迎えて徐々にガソリン価格は高くなっていくから、自動車を所有することの費用がさらに高くなっていき、それに依存しないで生活することの重要性がさらに高まるということである。私はそんなに長く生きている訳ではないだろうが、将来の世代が脱化石エネルギーを考えるうえでのヒントになるようなことをしたいな、と最近強く思っている。


BIO-City no.43

BIO-City no.43

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ビオシティ
  • 発売日: 2009/11
  • メディア: 大型本



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