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エッセンのグルーガ・パークを訪問する [都市デザイン]

エッセンにあるグルーガ・パークを訪問する。1965年に連邦庭園博覧会の会場となった後に市民に開放した公園である。面積は80ヘクタールだから東京ディズニーランドの1.5倍くらいの規模のある巨大な公園だ。とはいえ、隣接してメッセ会場が建っているので、公園自体はそこまで大きくないのかもしれない。メッセ会場は無骨な巨大な建物であり、公園に行くアプローチとしてはまったく好ましくない。公園も1965年頃につくったということもあって、日本にもよくあるような人工的なつくりがされており、優れた空間体験はできなかった。こういう公園のつくりかたはイギリスとかアメリカの方が優れていると思われる。これはちょっと意外な発見であった。しかし、2009年の連邦庭園博覧会の会場となったシュヴェリーンの公園は極めて優れたデザインがされていたので、まあ1965年の時代がこのような凡庸な空間づくりをさせたのかなとも思われる。

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さて、この公園にいかにもフンデルト・ヴァッサーを真似たような建物があって、なんかイミテーションするなよなあ、と思っていたら、正真正銘のフンデルト・ヴァッサーの手による建物であって驚いた。色彩とかが例えばウィーンの公共住宅やマグデブルクの集合住宅などと比べても今ひとつであるし、意匠もそれほど斬新でなかったからである。この悪趣味な黄色と朱色とのコンビネーションは一体全体何なのだろうか。どんな天才でも傑作と凡作があるのは分かっているが、それでもちょっと意外であった。フンデルト・ヴァッサーの作品はその周辺や都市までをも変える「都市の鍼治療」的効果があると考えていたのだが、パッと見だけの印象だと、このエッセンの作品はそのような力を有していないような印象を受けた。それは建物の立地、周辺との関係性、そして意匠に因るのではないかと思わせた。とはいえ、このフンデルト・ヴァッサーの建物の存在を知ったことは今日一番の収穫ではあった。

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(他のフンデルト・ヴァッサーの作品に比べても色彩のセンスが今ひとつ)

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