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スレートによる住宅の町レネッペ訪れる [都市デザイン]

レネッペという町がヴッパータールのそばにある。ヴッパータール渓谷の南にある森の中にある人口25800人の町である。自治体としてはラムシャイドに属する。あのレントゲンが生まれた町として知られており、レントゲンの生家はレントゲン博物館になっていた。玄関に大きくXという字が立てかけてあるのですぐ分かる。歴史地区に指定されている地区の住宅はスレートづくりで、窓のペンキは白地に窓枠が緑に統一されていた。この統一感が町の景観に与える影響は大きい。大内宿などでもいえるが、同じものが集まることでつくりだす空間の支配力は強烈なものがあるが、このレネッペでも見事にそのような成果を出せている。

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(レントゲンの生家)

ちなみに、この町の中心市街地は土曜日の昼だというのに閑散としていた。ドイツの町の中心市街地は自動車を排除しているところがほとんどのため、大抵、人が溢れていて活気がある。特に土曜日は買い物の日なので、それは賑わっている。私はそのアーバンな雰囲気が好きなので、それらを維持できているドイツの都市政策に一目置いているのだが、この町はゴースト・タウンのように人がいなかった。また、多くの空き店舗もあった。ヴッパータールといった大きな市場が周辺にあるために、テナントをよりハイエンドのものにしたり、洒落たレストランやカフェなどをオープンさせたりすることによってこの中心市街地の商業機能は維持させることができるとは思うが、旧西ドイツでもこんなに衰退している中心市街地があることを知ったのは驚きであった。もちろん、村といっていいような町であるし、実際の中心はラムシャイドにあるので、これは村の小売り拠点といった位置づけでしかないのだろうが、しっかりしていると思っていた旧西ドイツでこれだけ寂れた商店街をみたのは初めてであった。地元商業の維持ということはドイツのように土地利用等の規制が厳しくてもうまくいかないのである。日本のようにその点が遅れていて、対策をしても後手後手に回っている国では、そのダメージはより大きいだろう。

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(閑散とした商店街。空き店舗が多い)
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