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森喜朗が直面しているのは日本の世論ではなく、世界の世論である [グローバルな問題]

森喜朗の性差別発言が大きな波紋を呼んでいる。発言は撤回したが、辞任はしないようである。そして、反省はしているから辞任までさせなくていいだろう、という方向に世論を誘導しているような節がうかがえる。

森氏は「元々、会長職に未練はなく、いったんは辞任する腹を決めたが、武藤敏郎事務総長らの強い説得で思いとどまった」と毎日新聞の取材に応じた(https://mainichi.jp/articles/20210206/k00/00m/040/100000c?inb=ys)。

なんか、菅首相と同じで責任を取らなくても適当に誤魔化しても、そのうちマスコミも世論も収まるだろうというように捉えている印象を受ける。さて、しかし、今回の事件はそう簡単には収まらない。というのも、森氏のポジショニングは東京オリンピック・パラリンピック組織委員会長であり、オリンピックという世界的イベントを遂行する日本という枠組みを越えた世界的なイベントである。顧客も演技者も日本人に限定されるわけではなく、世界を対象としている。そのような重要な役職にある人間が、これだけ酷い差別発言をしたことは世界中の大ニュースとなっている。

CNN(https://edition.cnn.com/2021/02/04/sport/yoshiro-mori-comments-intl-hnk/index.html)、BCC(https://www.bbc.com/news/world-asia-55929404)と大々的に報じている。アメリカの大人気番組である「ザ・デイリー・ショー」のホスト、トレヴァー・ノアも森氏のパロディをやっていた。もう世界的に「敵」となってしまっている。これらの外国の世論を誤魔化すことは、さすがに自民党の老練政治家でも無理だろう。

「絶対モリを追い詰めてやる」と主張しているのは、カナダのIOCメンバーであるヘイリー・ウィッケンハイザー(Hayley Wickenheiser)氏である。アイス・ホッケーで4つの金メダルを取ったことのあるこの委員は、2月4日のツィッターでそう述べている(https://twitter.com/wick_22)。コワッ。

森首相がどうも辞めない理由は、東京オリンピックで動く大金を差配する能力があるからだそうだ。と、舛添氏は述べている。まあ、しかし、それが理由で辞めないというのは、金権オリンピックをまさに象徴している。しかも、もうコロナのおかげで大金も動かないし。そろそろ、そういう他人の褌で儲けるというようなセコい発想を辞めて、世界に対して日本という国の誠意でもみせたらどうか。前回のオリンピックでは、日本も敗戦から立ち直り、民主主義国家になったな、経済的にもよく頑張っているじゃないか、と好意的に思われた日本も、今回のオリンピックでは、もはや経済力も全然、衰弱しているのに見栄だけでオリンピックをやって、民主主義国家になったかと思ったら、こんな恥ずかしい性差別発言をしている輩が未だ権力を握っていて、その失態の責任をも自分達の利権を守るだけで取らさせないような奴らが跋扈している第三国だな、というイメージをもたれるようになっている。

森を守るということの国家的リスクをよくよく計算した方がいいと思われる。

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