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能登空港に関する朝日新聞の記事から、能登空港が赤字で昰なら、ローカル線も当然、赤字で是だろうと思う [地域興し]

2月2日の朝日新聞に「森喜朗氏の功罪:能登空港と安倍派5人衆」という記事があった。森喜朗氏に「功」があるのか、と興味深く読んだ。
https://ml.asahi.com/p/000004c215/23515/body/pc.html
 この記者が森喜朗氏の「功」として挙げたのは1998年度から着工した能登空港の予算取りである。能登空港は森氏なしでつくられることはなかった、という指摘は確かにその通りであると思う。能登空港は総事業費約240億円で、年間赤字が約3億円である。そして、これを負担するのは地元ではなく、全国民である。相当の辣腕でないと、こんな公共事業はできない。
 ただ、今回の震災で、能登空港は大活躍である。被災地への物資輸送の拠点としても利用されたそうだ。そして、この記者は「震災で活用される能登空港を見て、採算面だけでは語れないことに今さらながら気づかされた」という。
 さて、同じことは地方の赤字ローカル線にも言える。鉄道全般に採算面を当てはめるのは世界でも日本(とアメリカ:だからアメリカでは鉄道はほとんど走っていない。走らせる時は住民投票で、その運営赤字を、消費税を上げることで対応させるような判断をさせる)だけであるが、そんなことを考えていたら、日本の地方からは鉄道はすべて無くなる。しかし、これらローカル線はその地方の生活を支える基盤である。特に自動車を運転できない高校生以下、自動車を運転するのが困難になる高齢者にとっては、ローカル線がなくなることは著しく生活の質を劣化させる。特に、ローカル線とともに地方では高校も統廃合されているが、ローカル線がなければ、地元高校が廃校になった高校生は学校に通うことも難しくなる。その結果、18歳で地元からいなくなるのではなく、15歳で地元から他に移ってしまう。これじゃあ、人口が減るのは当たり前だ。
 社会基盤を採算面で見るという視点は、その費用対効果からは必要ではあると思うが、道路はそのような発想がほぼ無いに等しいのに、鉄道には他国と比べても遥かに厳しい。ドイツで暮らしているとつくづくそう思う。

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