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ドイツでサービスが悪いのは、無駄な消費をするな、という心優しいメッセージではないか、という仮説 [ドイツ便り]

ドイツで生活していてつくづく思うのは、サービスがメチャクチャ悪い、というかサービスという概念がこの国には皆無なのではないかということである。先日もクリスマス・ツリーのオーナメントを買おうと移動式の展示棚を眺めていたら、店員が横に動かして見えないようにする。どうも、ちょっと床のごみを掃除したかったらしい。仕方がないので、その動かされた展示棚のところに行って再び眺めたら、ほぼその直後に元の場所に戻した。もちろん、私の存在は100%認識している。喧嘩を売っているのか、とさえ思ったが、まさか客に喧嘩を売るような非建設的なことはしないだろう。
そこで、ハッと気づいたのである。これは、私のような中年をも超えて老年にさしかかったようなじじいが、こんなクリスマス・ツリーのオーナメントで散財をしてはダメだよ、というメッセージを伝えたかったのではないか。確かに、オーナメントの効用を考えると、それがもたらす喜びに比して、コストは高いと思う。そういうお客の財布事情までを考えてくれて、敢えてサービスを悪くしているのだな、と。確かにサービスがいいと、買うか買わないか、悩んでいる時とか思わず買ってしまう場合が少なくない。先日なども日本の池袋西武で、ヴィヴィアン・ウエストウッドの超絶、ド派手な洋服を、ただ見に行っただけなのに、上手に言いくるめられて買ってしまったからな。ドイツのお店では、むしろ逆で、そもそも買う気満々でお店に行っても、その気持ちを見事にシュンとさせてくれる。なんか、なんで私はこんなところにいるのだろう、とさえ思わせてくれる。当然、このお店でも買う気満々で訪れたにもかかわらず、クリスマス・ツリーのオーナメントを買う気が失せて、買わないでお店を出て行ってしまった。無駄な消費をさせない、という大変心優しい気持ちを店員は持っていて、鬼の心で塩接客をしてくれたのであろう。その優しい思いをしっかりと理解できない自分はなんと心が狭いのか。我ながら嫌になってしまうが、その感謝の気持ちを伝えようとしても、相手の顔を見た瞬間に、その気持ちが怒りに変わるとも限らないので(心が狭いので)、その感謝の気持ちをこのブログに書かせてもらうことで伝えたいと思う(って、日本語まず読めないでしょうが)。
 さて、そんな心優しい人に溢れているドイツであるが、中には性悪の店員がいる店もベルリンにもある。それはKADEWEという東京で言えば銀座三越のようなお店である。ここは、サービスがよくて、散財してはいけないと思っているのに散財をさせる、という、ドイツでは極めて珍しく、マーケティングを学習したような店舗である。私は、せっかく、クリスマス・ツリーのオーナメントに対する物欲が、穴の空いた風船のように見事に縮ませてもらったにも関わらず、KADEWEに入ったがために、予算をオーバーして買わされてしまった。なんてこった。そして、10ユーロもしない小さなクリスマス・ツリーにその15倍もするオーナメントを飾って、一人暮らしのアパートの食堂に飾っている。合計160ユーロのクリスマス・ツリーを飾れるのは20日間ぐらいだ。一日あたり8ユーロの和みの価値があるか、と言われると極めて怪しい。やはり、相当の無駄遣いをしてしまった。とはいえ、心はちょっと豊かになっている、ような気はする。優しい店員さんの気持ちに背いた行動をしてしまって、その点だけは悔やまれる。(嘘です)。

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