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【ユタ州の国立公園縦断ツアー8】ブライス・キャニオン国立公園(2) [地球探訪記]

 今日は日が昇る前にモアブを発ち、キャニオンランズ国立公園、キャピトル・リーフ国立公園を経て、ブライス・キャニオン国立公園へと向かった。ブライス・キャニオン国立公園の夕日を撮影するために、道を急いだのだが、キャピトル・リーフ国立公園からブライス・キャニオン国立公園へと向かうルート(12号)は驚くほど風光明媚であり、それ自体がもう観光名所のようである。キャピトル・リーフ国立公園を抜け、しばらく24号を走るとトリーという村に出る。ここから12号で南下するのだが、すぐディクシー・ナショナル・フォレストに入る。ここでは2866メートルの峠越えをする。日本は乗鞍スカイラインの畳大平が道路の最高地点であるが、これは2702メートル。アメリカはでかいな、というのを実感させられる。この道路からキャピトル・リーフの岩々が展望できるのだが、すごい絶景である。
 さらに、このディクシー・ナショナル・フォレストを抜けると、グランド・ステアケース・エスカランテ国定公園に入る。この国定公園は、相当魅力的なランドスケープを有しているが、何しろアクセスが悪い。というか、自動車でアクセスするのは不可能に近い。この12号もその端っこを走っているのだが、その真の魅力はさわり程度しか分からない。グランド・ステアケース・エスカランテ国定公園は48州では最後に地図がつくられた場所であり、1996年にクリントン大統領が国定公園として認定する。クリントン大統領は大統領選ではユタでは大いに負け越していたので、この認定には随分とユタ州では反対していた人も多かったようである。何しろ面積が7690平方キロメートルである。東京都の面積が2188平方キロメートルであるから、いかにそれが広大であるかが分かる。まあ、広大であってアクセスが悪いので、バックパックでもしないとその凄さを知ることはできない。
 しかし、この12号からもさわり程度しか分からないなりにも、そのユタらしい異様なランドスケープは堪能できる。ここを走るだけで十分、楽しく有意義な時間を過ごした満足感を得ることができる。どこを走っていても車窓が美しい(一部、インターステートハイウェイ80号のソルトレークの西側は当てはまらないかもしれないが)。これがユタ州のドライブの醍醐味であろう。
 さて、グランド・ステアケース・エスカランテ国定公園を抜けると再びディクシー・ナショナル・フォレストに入り、そこを抜けるとブライス・キャニオンである。パリア川に沿って西へ進んでいくと、突然、岩の色がブライス・キャニオン特有のクリームがかったオレンジ色になる。この岩の色は独特であり、特別な地霊というかセンス・オブ・プレイスを発している。キター、という気分になり、心は高揚する。12号は、このブライス・キャニオンの渓谷をゆっくりとジグザグをつくりながら緩やかに高度を上げていく。
 まだ日が沈んではないが、ほぼぎりぎりである。ブライス・キャニオンには7つのポイントがあるが、取りあえずもう選択する余裕もないのでサンセット・ポイント。ここで夕日に映えるブライス・キャニオンの渓谷を撮影すると、まだちょっと明るいのでブライス・ポイントにも行く。
 ユタ州の国立公園は、本当、どこも素晴らしいが、絵はがきコンテストをしたら、ブライス国立公園が優勝するのではないだろうか。この絵画のような非現実的なランドスケープの美しさには、オーラというか何か神がかったものが感じられる。

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(エスカランテ国定公園を走る12号からの景色)

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(エスカランテ国定公園を走る12号からの景色)

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(12号からキャピトル・リーフ国立公園、ヘンリー山地を望む)

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(夕日に映えるブライス・キャニオン。サンセット・ポイントから)

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(夕日に映えるブライス・キャニオン。サンセット・ポイントから)

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(夕暮れ時。ブライス・ポイントから)

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(夕暮れ時。ブライス・ポイントから)
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