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入院しておたんこナースに悩まされる [その他]

某大学病院に入院している。大学病院というのは入院先としてはあまり好ましくないと思われる。というのは、研修という大きな目的があるために、看護ということの優先順位が低いから、いわゆる医療というサービスの質は決して高くないからだ。私の場合は、手術をする執刀医がその分野ではパイオニアに近く、腕も確かなので、大学病院に決めたので納得しての入院ではあったし、実際、手術に関してはもう完璧に近く、予後も極めて快調に推移している。ということで、その点ではまったく満足しているのであるが、それ以外は結構、不満が多い。病室のアメニティはよいのだが、まず看護師。私の大雑把な感想ではあるが、2割ぐらいが嬉しくなるような対応をし、5割ぐらいがおざなりなルーティーンな対応をし、2割が患者というのは弱者であることを自覚させられるような対応をし、最後の1割がおたんこナースである。これらの中で最も怖いのはおたんこナースであることは言を俟たない。

私が遭遇したおたんこナースはやる気満々であった。そもそもおたんこナースの条件の一つは「やる気がある」ことなので、当然ではあるのだが、立派な看護師になろうという気持ちが強く、そのために、勝手に気を利かせていろいろとやろうとする。すぐ、何かしたがるのだ。例えば、尿道に入れた管などもすぐ取りたがる。これは、私も以前、経験があるので取ると相当の痛みが走るので躊躇していたのだが、自分の経験値を上げたいのか、平気でやってしまう。まあ、これは何とか取れたのだが、その後、しばらく尿道を尿が通ると痛いので尿が出ない。すると、「尿が出ないならまた管を入れないと」とか訳が分からないことを言ってくる。管を入れていたから尿が出ないのに、また入れたらさらに自力で尿を出せなくなるだけではないか、と思わず怒鳴りたいような気持ちにさせられる。仕方がないので、激痛に耐えて、頑張って出して、再び管入れされることだけは避けた。

次の日は点滴の場所を変える日であった。これは、お医者さんがする仕事なのだが、私の点滴の出が悪かったため、どうせ今日、変えるのだからもう一度、刺し直しましょう、と言ってくる。そんなもんかな、と思っている私をよそに、彼女は点滴を抜いてしまった。そこまではいいのだが、どうも点滴をどこに刺していいのか分からず困っているような表情をしている。顔も緊張がありありだ。そして、「そこかよ」と思うようなところに刺して、結局、入れることが出来なかった。私には痛みだけが残った。また、場所を探し始めたので、流石にこのおたんこナースの実験材料では私はないぞ、という怒りがふつふつとわき上がり、「○○先生、呼んでよ」と彼女の処置を拒否した。

流石に、私の怒りを察したらしく、○○先生を呼びに行ってもらえたが、先生も忙しいらしく、私が再び点滴を受けたのは1時間近く後であった。いくらいい執刀医がいても、おたんこナースに殺されてしまうと私は大学病院での入院のリスクを改めて感じ取った次第である。恐るべし、おたんこナース。

ちなみに、その後、○○先生に問題なく点滴の注射針を入れてもらった私に対して、おたんこナースはまったく悪びれた様子もなく、「ほう、ここに刺したのか」と感心していたのは言うまでもない。

そうそう、知らない人にお伝えしますと、おたんこナースとは佐々木倫子氏の漫画です。漫画は面白いですが、現実に出会うと全然、面白くありません。とはいえ、久々におたんこナースを読みたくはなりましたが。


おたんこナース 全巻セット (小学館文庫)

おたんこナース 全巻セット (小学館文庫)

  • 作者: 佐々木 倫子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2011/03/01
  • メディア: 文庫



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