若林幹生と吉見俊哉という現代日本を代表する都市社会学者が編集した、東京を多面的な切り口から社会学的に分析した論考集。得てしてこのように数多くの執筆者の論考を集めた編集本は、方向性を欠き、玉石混淆になってしまうのだが、本書は読みやすく、またどの内容も刺激的である。これは、編者の二人の編集能力が傑出しているからだと思われる。ちょっと前になってしまうかもしれないが、2000年代前半までの東京を理解するうえでは極めて有益な文献であると思われる。
東京スタディーズ
- 作者: 吉見 俊哉
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2005/04
- メディア: 単行本