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ブラジリアの都市問題の一考察 [都市デザイン]

ブラジリアには鉄道の路線がある、南の羽の軸と並行に走っている線路がある。しかし、鉄道は貨物だけが走っている。この線路を使おうと、ブラジリアの都市コンサルタントをしていたクリチバ元市長のジャイメ・レルネルさんの意見は、総スカンを食らう。ブラジリアにはお金があり過ぎる、お金があるので無駄をしたがるというのは、ブラジリアの建設を一手に引き受ける公社であるノヴァカピの役人の話。ここでは、名前は伏せさせてもらうがトップの方の人である。その結果、何しろ、道路をつくりたがるそうだ。これは、その道路利権を得ている人達が相当の政治力を有しているからであり、よりお金がかかる道路をどんどんと整備しようとするからだそうだ。人のことを考えるよりか、お金をことを考えるので、無駄に高規格の道路が都心から郊外都市へと整備されるそうである。確かに、プラノ・ピロットから西のタグアチンガに向かう道路も、東北のソブラジーニョの行く道路も片道4車線はあるスーパーハイウェイであった。前述のノヴァカピの役人は、ブラジリアの行政は、あまりにも政治的に動きすぎる。そもそもブラジルは政治的に行政が左右されるが、ブラジリアはより酷いと言う。なんか、日本の話を聞いているようでとても興味深い。とはいえ、新たに州知事となったケーロス氏は、公共交通を充実させ、バスシステムと鉄道の利便性を向上したいと言う。カシオ・タニグチ氏が提言した、統一運賃システムをも導入し、さらにクリチバのようなバス専用レーンを整備したいという。さらには、プラノ・ピロットの胴体を構成するW3にもクリチバのグリーンライン(リニャ・ヴェルジ)のようなバスの専用レーンを整備したいと雑誌の取材に回答していた。ブラジリアの都市環境は、人間でいえばほとんど不治の病のようにもみえるが、タニグチ氏やレルネル氏などのクリチバの名医の処方箋によって甦ることができるだろうか。レルネル氏の元で働くフェルナンド・カナーリ氏は、「ぜったい、完治できる」と強調する。しかし、そのためには処方箋に則った治療を受け、薬を飲むことが前提となるであろう。
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