宮崎駿が構想した阿佐ヶ谷の小公園を訪れる [都市デザイン]
杉並区阿佐谷北に宮崎駿が構想した小公園がある。「Aさんの庭」と命名されたこの公園は、宮崎駿が著した『トトロの住む家』で紹介された家が建てられていた敷地につくられたのである。不運にも、この家は焼失してしまったのが、その跡地に宮崎駿が杉並区に小公園をつくることを提案したことで実現された。杉並区役所も粋なことをしたものである。なかなか霞ヶ関の中央官庁では、こういう血の通うような施策は実現できない。地域と関わる区役所であるから、小規模であるが実現できた人々に喜ばれる公共施策であると思われる。
その「Aさんの庭」を訪れた。早稲田通りから一本入ったところにあるが、なかなか分かりにくい。とはいえ、「薔薇の家」と呼ばれていた通り、薔薇の木が多く植わっているのを始めとして、多くの花々がこの空間を素敵な花園としている。宮崎駿はこの家を「たからもの・・・そう表現するのが一番ふさわしい」と『トトロの住む家』で述べていたが、確かに、このような自然豊かなスポットが東京という大都市にあることは、「たからもの」であると思われる。家は焼失してしまったが、その面影を残した公衆便所が併設されているので、家がある時の雰囲気も多少は想像できるように公園は設計されている。
『トトロの住む家』では、宮崎駿のこの小公園のスケッチが描かれているが、まさにその通りにつくられていたので、ちょっとした感動を覚える。個人的には、園内の通路の狭さが大変気に入った。人一人しか通れない幅であるが、その幅の狭さに、ここがもと個人の家の庭園であったことを思い出させる。そして、公園のスケールの小ささとこの歩道の幅の狭さが絶妙にマッチするのである。おそらく、通常の公園設計では許可されないような狭さであると思われるのだが、ここらへんにも杉並区役所の良心を感じるのである。これは、公共事業が個の思い、そして地区住民の情熱を汲み取った、珍しい成功事例なのではないかと思われる。
その「Aさんの庭」を訪れた。早稲田通りから一本入ったところにあるが、なかなか分かりにくい。とはいえ、「薔薇の家」と呼ばれていた通り、薔薇の木が多く植わっているのを始めとして、多くの花々がこの空間を素敵な花園としている。宮崎駿はこの家を「たからもの・・・そう表現するのが一番ふさわしい」と『トトロの住む家』で述べていたが、確かに、このような自然豊かなスポットが東京という大都市にあることは、「たからもの」であると思われる。家は焼失してしまったが、その面影を残した公衆便所が併設されているので、家がある時の雰囲気も多少は想像できるように公園は設計されている。
『トトロの住む家』では、宮崎駿のこの小公園のスケッチが描かれているが、まさにその通りにつくられていたので、ちょっとした感動を覚える。個人的には、園内の通路の狭さが大変気に入った。人一人しか通れない幅であるが、その幅の狭さに、ここがもと個人の家の庭園であったことを思い出させる。そして、公園のスケールの小ささとこの歩道の幅の狭さが絶妙にマッチするのである。おそらく、通常の公園設計では許可されないような狭さであると思われるのだが、ここらへんにも杉並区役所の良心を感じるのである。これは、公共事業が個の思い、そして地区住民の情熱を汲み取った、珍しい成功事例なのではないかと思われる。