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あまりイメージが浮かばない都市、フランクフルト [都市デザイン]

ドイツの都市で最も多く訪れたのは、1年間住んでいたデュッセルドルフとその時の勤務先があったドルトムントを除けばフランクフルトではないかと思う。そもそも、ドイツの玄関口として使われるのはほとんどフランクフルトである。エアフロートでベルリン空港に入ったことや、ミュンヘンから日本に戻ったことなどもあるが、それ以外はフランクフルトを使う。デュッセルドルフに住んでいても、デュッセルドルフ空港よりもはるかにフランクフルト空港を利用する。これは鉄道に乗れば、デュッセルドルフからフランクフルト空港まで1時間ちょっとでいけてしまうからである。人生で最も、利用した空港も成田空港、羽田空港を除けばサンフランシスコ空港かフランクフルト空港なのではないだろうか。しかし、これだけフランクフルト空港を利用しているにも関わらず、フランクフルトはほとんど知らない。これは、フランクフルト空港に着いてから、すぐ目的地に移動してしまうからである。これは鉄道の接続があまりにも優れているからである。ちなみにフランクフルト中央駅はターミナル型の駅なので、あまりダイヤ的にも利便性が高くない。したがって、むしろ空港駅から目的地までいってしまった方が、時間が効率的に使えるのである。同じことはレンタカーを借りた時にもいえる。フランクフルトまで出るのではなく、オートバーンでなるべく目的地の近くまで、そして宿泊代が安い地方都市に移動してしまうので、フランクフルトの中心市街地はパスしてしまうのである。

とはいえ、フランクフルトのホテルには2回ほど泊まったことがある。両方とも1泊だけだったと思う。しかも、2回とも仕事で、他の先生と一緒であった。私はドイツの地方都市は、日本の地方都市よりも訪れているぐらいなのではないかと思うのだが、フランクフルトは本当に訪れたことが少なく、知らない。私の膨大なる都市スライド集でもフランクフルトの写真は2002年に撮影されたものしかない。

なんでこんなにフランクフルトには縁がないのであろう。それは、前述したような立地的な理由もあるが、もう一つは何を見にいけばいいのか、そのイメージが抱けないことが挙げられると思われる。フランクフルトの都市アイデンティティといえば、金融街、そしてドイツらしからぬ高層ビル群である。マンハッタンならぬマインハッタンと呼ばれる高層ビル群は、しかしマンハッタンのスカイスクレイパーとは比べものにならないほどしょぼい。建築のクオリティは高いかもしれないが、その足下の都市空間は非人間的でつまらない。ツァイル周辺の中心市街地はそれなりに都市デザイン的には優れているが、たとえばハンブルクやデュッセルドルフといった被爆都市の中心市街地に比べても、アメニティは劣る。駅舎はとても格調が高いが、その周辺のピンク街は淫靡で、ちょっと下品であり、あまり感心できない。

せっかく、ドイツ最大のハブ空港を有しているのであるから、もうちょっと観光都市として魅力を高めるような工夫をされるといいと思うのは、私があまり同市の観光施策を知らないからか、観察力が不足しているからか。経済的にはすこぶる調子がいいはずであるが、その豊かさがあまり都市空間に反映されていないような印象を受ける。まあ、ちょっと郊外に出れば、まったく違う印象を受けるかもしれない。フランクフルトは、なかなかその全体像を把握しにくい都市であるということはいえるかもしれない。そして、それはおそらく都市マーケティング上は問題であるとも思われる。とりあえず、毎度ながらの無責任なコメントで恐縮であるが、ちょっと備忘録もかねて記させていただく。

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フランクフルトに聳え立つ高層ビル群

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ドイツでは珍しい高層ビルがフランクフルトには建っている

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中央駅前はいかがわしい雰囲気が充満している


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