キング・クリムゾン『ポセイドンの目覚め』 [ロック音楽]
キング・クリムゾンのロック史上に残る偉大なるデビュー・アルバム『キング・クリムゾンの宮殿』に次いで発表された作品。ただし、デビュー・アルバムからはメンバーが替わっている。イアン・マクドナルドが抜け、グレッグ・レークもベースを弾かず、ボーカルのみ(しかも1曲はフリップの友人が歌っている)の参加である。イアン・マクドナルドはフォーリナーズにその後、入ったりしてあまり尊敬を受けていないミュージシャンと思われるが、彼が抜けたキング・クリムゾンは彼が作曲した「アイ・トーク・トゥ・ザ・ウィンド」や「クリムゾン・キングの宮殿」といったレベルの曲を再生できなくなってしまった。しかし、それにも関わらずこの『ポセイドンの目覚め』は、『キング・クリムゾンの宮殿』に恐ろしく似せてつくられ、その結果、二番煎じというか二流の『キング・クリムゾンの宮殿』のようなつくりになってしまっている。
「ピクチャー・オブ・ザ・シティ」・・「21世紀の精神異常者」
「ケイデンス・アンド・カスケード」・・「アイ・トーク・トゥ・ザ・ウィンド」
「ポセイドンの目覚め」・・「エピタフ」
「クリムゾン宮殿」・・「デビルス・トライアングル」
と『キング・クリムゾンの宮殿』と非常に似通った曲調の曲によって構成されているアルバムであり、しかもどの曲をとっても『キング・クリムゾンの宮殿』の方が優れているので非常に今ひとつ感のするアルバムではある。
しかし、そのような先入観、すなわち偉大なる『キング・クリムゾンの宮殿』の後につくられたアルバムという考えを抜き去って鑑賞すると、それほど悪くはない。ある意味で『キング・クリムゾンの宮殿』にはなかったタイプの曲である「キャット・フード」が一番、印象に残るというのは、若いバンドがいきなりの成功に戸惑って、また多くのメンバーが脱退していくという中で無理に製作したという歪みが出てしまったのかもしれない。「キャット・フード」路線で2匹目のドジョウを狙わずに、クリエイティブな方向性を見出した方がいいアルバムになったかもしれない。というか、『キング・クリムゾンの宮殿』の前に出ていたら、なかなかいい評価が得られたと思うアルバムである。「ピクチャー・オブ・ザ・シティ」なんて名曲である。ただし、「21世紀の精神異常者」と比べると劣って聞こえてしまうだけである。
「ピクチャー・オブ・ザ・シティ」・・「21世紀の精神異常者」
「ケイデンス・アンド・カスケード」・・「アイ・トーク・トゥ・ザ・ウィンド」
「ポセイドンの目覚め」・・「エピタフ」
「クリムゾン宮殿」・・「デビルス・トライアングル」
と『キング・クリムゾンの宮殿』と非常に似通った曲調の曲によって構成されているアルバムであり、しかもどの曲をとっても『キング・クリムゾンの宮殿』の方が優れているので非常に今ひとつ感のするアルバムではある。
しかし、そのような先入観、すなわち偉大なる『キング・クリムゾンの宮殿』の後につくられたアルバムという考えを抜き去って鑑賞すると、それほど悪くはない。ある意味で『キング・クリムゾンの宮殿』にはなかったタイプの曲である「キャット・フード」が一番、印象に残るというのは、若いバンドがいきなりの成功に戸惑って、また多くのメンバーが脱退していくという中で無理に製作したという歪みが出てしまったのかもしれない。「キャット・フード」路線で2匹目のドジョウを狙わずに、クリエイティブな方向性を見出した方がいいアルバムになったかもしれない。というか、『キング・クリムゾンの宮殿』の前に出ていたら、なかなかいい評価が得られたと思うアルバムである。「ピクチャー・オブ・ザ・シティ」なんて名曲である。ただし、「21世紀の精神異常者」と比べると劣って聞こえてしまうだけである。