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『チーム・アメリカ』 [映画批評]

 『チーム・アメリカ』は、あの『サウス・パーク』のトレイ・パーカーとマット・ストーンが製作した映画である。ということで、あらゆる人物や国などを徹底的に笑い飛ばす。しかし、その中でもアメリカの大国主義、自由さえ掲げれば何でも許されるという傲慢さへの批判は強烈である。『サウス・パーク』と同様に、いろいろとお下品で残酷な表現が多いが、それでもアメリカ社会の問題を考えさせるという点では、単なる低俗映画とは一線を画すと思われるし、そう思いたいと考える自分がいるだけかもしれない。
 それにしてもアメリカは自由を標榜するが、どこが自由なのだ。「自由こそがすべて」というが、その自由を維持するために、相当の不自由を強制されている。自由という宗教に囚われて、思考自体をも自由でなくなっているという矛盾になぜ気づかないのだろうか。そして、自由を維持するという大義名分のもとでは、他国がどのような犠牲を強いられてもしょうがない、という傲慢さが、トレイ・パーカーのシニカルでお下品なギャグを通じて表現されている。まあ、こういう何でも笑い飛ばせる映画がつくれるというのは、いろいろな問題があってもアメリカのいいところであって、恐らく中国よりはまだまともなんだろうなあと思ったりする。

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