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マンハッタンでの人の多さを都市的魅力に転じさせているのは歩道の広さである。 [都市デザイン]

マンハッタンの都市空間の魅力に結構、感心している今回の出張である。これまで何回もマンハッタンを訪問しており、ポケット・パークはもちろんのこと、セントラル・パークの素晴らしさ、ミート・ディストリクトの賑わい、グリニッジ・ビレッジ周辺のアーバニティの魅力など、いろいろと感心はしていたが、今回はこの人の多さが演出するマンハッタンの魅力という点に興味を惹かれている。

そこで気づいた点は、歩道が広いことなど、歩行者のための空間が充実していることである。例えばマディソン・アベニューは歩道の幅が6メートルもある。両側にあるのでこれだけで12メートルの幅である。車道は正確には測定できなかったが目測では、5車線あるので14メートルくらいか。よく考えたら、26メートルの46%くらいが歩道である。日本のちょっとした住宅地の道路より遙かに幅がある。南北に通るアベニューに比べて幅が狭いストリートはどうであろうか。ストリートの中にも57ストリートのように幅が広いところもあるが、例えば一般的な幅をもつと思われる31ストリートの場合は、歩道の幅は片側だけでおよそ3.6メートル、車道の幅はおよそ10.8メートルである。ここでも歩道が占める幅は4割である。そして、この広さのおかげで多くの人がこの歩道に溢れることができ、そしてその多さが活力というか賑わいを空間にもたらしていると考えられるのである。これこそがニューヨークの魅力の根源であろう。

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(5番街の歩道も6メートル幅である)

さらに、この魅力の根源をニューヨーク市は拡張しようとしている。ブロードウェイに関しては前述したが、ユニオン・スクエアでは西側に面した道路を半分以上、車道を減らしてその分、歩道を広くした。歩道を広くといっても、それは20メートル以上はあるような幅である。しかし、これは解説をしてくれたシャロン・ズーキン教授によれば非常に功を奏したそうだ。歩道を広くした途端、歩行者数が増え、屋台の数が増えた。その結果、さらに人が増えるようになったそうである。確かに、ユニオン・スクエアは夕方と夜に訪れたが、どちらの時間も多くの人で溢れていた。そして、これこそがニューヨークの活力をもたらし、魅力を創出しているのである。そうか!歩道がポイントか!ニューヨークにて改めて、その都市空間に魅力を創出する要因を理解した気がする。

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