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デュッセルドルフの都市計画局でいろいろと教えてもらう。 [都市デザイン]

 デュッセルドルフの市役所の都市計画課に行き、いろいろと土地利用や都市開発について教えてもらう。
 デュッセルドルフ市の土地利用図をみると特に北部と南部に多くの緑地があることに気づく。これらは土地利用計画図Fプランでもそのまま緑地としての利用が指定されている。住宅需要が高ければ、それらの緑地もしくは農地を市街化すればいいのではと筆者などは考えたりするのだが、それは住民や自然保護団体の反対が強くて不可能であると市役所の都市計画課の職員は回答する。そもそも、それら貴重な資源である緑地を開発するといった発想自体がどこから出てくるのだとむしろ筆者が詰問されてしまい、ドイツの都市計画における緑地保全の意識の強さに驚いてしまった。ただ、このような強い意識を持って緑地保全をすることで逆に市街地内のブラウンフィールドの活用をしっかりとすることを促すことになるため、結果としてはより優れた都市開発が展開できるのではないかとも考える。日本のように土地を転がして濡れ手に粟で利益を得ようという農家や地主はドイツではどうも少ないようである。
 デュッセルドルフ市は多くの都市開発プロジェクトを抱えているが、そのための資金が不足しているために、多くの場合、その土地を民間に売却している。これは、将来、新たに都市計画をしようと考えた時、市有地でなくなってしまうために、行政が都市計画をコントロールすることを難しくするのではないかという筆者への疑問に対しては、土地を売る際に何かしらの都合で土地を転売する場合は、市役所を売り手として最優先すること、との契約を結ぶことで対処しているとの回答を得た。都市開発をすることで土地が高騰することをしっかりと未然に防いでいるのである。
 ううむ、なかなか学ぶことが多い。しかし、それにしても土地を転がして儲けるといったビジネスが日本ではあまりにも跋扈しすぎているのではないか。
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