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シュパイヤー大聖堂は、宗教的な慈愛を感じさせる安らぎに満ちた素晴らしき体験を可能とさせる特別な空間である [都市デザイン]

シュパイヤーという人口5人の小さな町がハイデルベルグの近くにある。ライン川沿いに立地するローマ時代に遡る歴史ある都市である。ここの教会は世界遺産に指定されている。大したことはないだろうと高をくくりつつも興味が多少あったので訪れたら、巨大な駐車場にクルマが一杯になるほど多くの観光客を集める大観光地であって驚いた。

さて、大聖堂に関してだが4つの塔を据えたロマネスク様式で、1030年に建設が開始され、1061年に完成された。ロマネスク建築の教会としては最大規模のものであり、それ以降の建築に多大なる影響を及ぼした。カトリック教会ではあるが派手さとは無縁で、内部は静謐で凛とした空気に包まれ、またゴシック様式のカトリック教会で往々にして感じる威圧感も皆無である。その内部は、むしろ子宮のように守られた安心感を覚えるような安寧を覚えさせる。意匠も派手さや仰々しさはなく、ステンドグラスも簡素であり、余計な想像力を刺激することはない。宗教とは無縁の筆者にも、宗教的な慈愛を感じさせる安らぎに満ちた素晴らしき体験を可能とさせる特別な空間である。ドイツで最も素晴らしい大聖堂であるという評価が納得できる。

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(静謐なる内部空間)

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(地下にある礼拝堂。イメージ的にはドラクエで蘇生するような教会。そのような奇跡が信じられるような厳かであるが穏やかなる空間)

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(久々にスケッチブックを持ってきたので、ちょっとスケッチしてみました)

大聖堂を焦点とする中心街路も素晴らしく、中心市街地も魅力溢れるつくりが為されていることに驚く。クリスマスを過ぎていたが、まだクリスマス・マルクトを開催していたのだが、私が経験した中では最も洗練されたオーセンティックな趣を有するクリスマス・マルクトであった。

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(シュパイヤーの広場でのクリスマス・マルクト)

まったく大した期待もせずに訪れたのだが、嬉しい誤算であった。ハイデルベルグに行ったついでに足を延ばしただけなのだが、ハイデルベルグよりも遙かに大きな感動を覚えた。これまで訪れた大聖堂に比べても傑出した出来映えであり、その空間体験は比類するものがなく素晴らしいものであると思った。少なくとも個人的な感性レベルでは、このシュパイヤーの大聖堂での空間体験は特別なものであった。ドイツでも五本の指に入る素晴らしい都市というか観光地であると思う。

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