SSブログ

ドイツでチップを考える [ドイツ便り]

日本人が海外で生活するうえで結構、困惑することはチップであると思われる。『地球の歩き方』は、私もときたま使用するが、この本ではどこの国のバージョンでも、ほとんどチップを払えみたいなことが書いてあって、海外の回し者のように同胞にチップを貢ぐことを強制しているが、実際、こちらで生活している人はケース・バイ・ケースで対応しているような気がするし、多少なりとも個人の流儀みたいなものもあると思う。例えば、アメリカは7年生活していたことがあるので、私は自分の流儀を持っていて、ウェイターやウェイトレスによってテーブル・サービスを受けた場合は、税金を除いた額の15%を支払うことを基準にしている。特別なサービスを受けたり、飲み物をこぼしたりして迷惑をかけたりしたら、これが20%になるし、不愉快なサービスを受けて、不愉快であることを知らしめるために10%程度にすることもある。基本的にこまかく計算はしないで、お釣りがでない感じで15%周辺の額を支払うようにしている。また、大人数で利用したりすると店側が勝手にチップ相当額をサービス料として請求することもあるので、この点は支払う時に注意することが必要である。タクシーはあまり使わないので難しいところだが、10ドル以下であれば請求額に1ドルを足し、それ以上であればまあ10%〜15%をあげるようにしている。ホテルの部屋のサービスはよほど部屋を汚くしたりしたらチップを小銭か1ドル紙幣で渡すが、それ以外では支払わない。もちろん、ボーイに荷物を運んでもらったら1ドル払うし、タクシーを呼んでもらったり、タクシーのトランクに荷物を運んでもらったりしたら1ドル払うようにしている。これは、流儀というか、もう基本的なマナーに近いものがあるかと思う。また、滅多にしないがルーム・サービスの時は20%程度加えるようにしている。しかし、これに関してはメニューに明記されたりしている。あと、私はよく学生を乗せるためにバス・ドライバーを雇うのだが、その時は事前にチップを払うことを条件として言われ、その額はほぼ15%相当となっている。
 さて、ドイツはちょっとまだ不明であるが、分かったのはテーブル・サービスを受けた場合は、喫茶店でも大体5%〜10%をチップとして払うことであり、これは常識に近いようだ。私は5%を上回る額を計算し、大雑把に繰り上げしてコインでのお釣りがこないような額をチップで払うようにしている。ただし、ちょっと気になるのはドイツではいわゆるアメリカで言う「ペイ・ダッチ」(オランダ風支払い)、すなわち割り勘での支払いをする場合が多いのだが、この際、皆、結構、請求額と同額を支払っているような気がする。すると、割り勘だとチップを払わないことになるのではないか。私は割り勘でも自分の額分はチップで払うようにしているのだが、結構、しっかりとお釣りをもらっている人も多い。ここらへんは、また今度、事情とかの説明を聞いてみたいと思う。
 ドイツ以外のヨーロッパの国がどうかというとちょっと不明であるが、語学学校のフランス人はまったく割り勘の時にチップを払わず10セント単位でお釣りをもらっていた。これは、フランスでは払わないためなのか、ドイツだから払わないのかは不明である。
 タクシーでは5%〜10%範囲で「釣りはいらないよ」をしている。しかし、これは、長距離を乗ったことがないので、釣りでチップが済むためであり、実際、長距離を乗ったらどうしなくてはいけないかは調べなくてはならない。
 床屋に関しては、アメリカだと大体15%前後のチップをあげるのが習慣というかルールになっていると思うが、ドイツでは知人の話だと幾らであっても1ユーロをあげればいいと言う。少なくとも彼はそうしているそうだ。とはいえ、アメリカのような固定化されたようなルールではなく、床屋とかは特に払わなくてもそこまでは顰蹙を買わないような印象を受ける。ただ、料金が19ユーロとかあたかも20ユーロでお釣りはいらない、という行動を期待しているような気がしないでもない。
 まあチップは、その習慣のない日本人にとっては極めて納得のいかない、分かりにくいものではあるし、払わないことが法律違反ではないが、まあ海外では従った方がいいであろう。とはいえ、韓国や台湾なんかはチップを払う必要はないだろう。ブラジルも基本的には不必要である。インドネシアやインドは空港とかに荷物をもってチップを稼ごうという輩がいるので要注意であるが、通常のレストランとかで払う必要はない。『地球の歩き方』の問題は、どこでもチップを払えみたいな書き方をすることで、逆に、日本人の観光客はチップをくれるだろうと、チップの習慣のない国々の人に思わせてしまうことである。確かに、チップを払った本人は、現地の人に喜ばれるかもしれないが、それは他の日本の観光客にはマイナスな影響を及ぼすことを認識してもらいたい。
 チップの習慣がある国はしっかりと、その習慣に従うべきだと思うが、チップの習慣がない国においてチップをあげる必要がない。まあ、このチップのことは私自身も結構、悩まされたことなので、また何か発見等があれば、このページに追記したり、このブログに新たに記していったりしたいと思う。


タグ:チップ
nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0