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レーカーズの試合に行き、アメリカの格差社会に思いを馳せる [サステイナブルな問題]

ロスアンジェルスに来ている。小学校時代の友人宅に泊まらせてもらっている。駄目もとで、レーカーズの試合に行きたいんだけど、と友人に言っておいたら知人のシーズン・チケットを譲り受けてもらってくれた。対戦相手はシャーロット・ボブキャッツである。レーカーズの本拠地がイングルウッドのグレート・ウェスタン・フォーラムという空港のそばの治安があまりよくない場所から、ダウンタウンのステープル・センターに移ってもう10年目になる。コンベンション・センターに隣接したステープル・センターはバスケットの試合であれば19000人ほど収容できる。なかなかゴージャスで、客席も座り心地のよい椅子だったりして素晴らしい会場であると思う。私のチケットは100ドルくらいの値段であった。一番、悪い席でも40ドルくらい取られるそうだ。随分と高い値段である。経済不況まっただ中というのに、ほぼ満席であった。バスケの試合ごときに100ドル単位で払える人たちがこれだけいるのだから、まだまだアメリカは大丈夫なんだろうな、と思う。アメリカの社会システムの問題は、貧富の差が激しくて、豊かな人たちが、その豊かさを貧しい人たちに分け与えないことだと考えているのだが、その状況は不況になってもあまり変わらない。すなわち、豊かな人達は相変わらず豊かな消費生活を送っているな、と感じたのである。

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私の友人は45歳であるが、両親の多大なる遺産で悠々自適な生活を送っている。一応、建築家だが仕事はお願いされたらする、といったペースである。自宅が事務所なので平日になって朝10時になっても起きてこない。1000㎡の大邸宅に住んでいて、ある意味で羨ましいし、私もただで泊まらせてもらって、レーカーズの券などと取ってもらい、その恩恵に与っているので、批判をする立場にはないが、大学の給料だけでは汲々として、講演や文章を書かないと生活できないために仕事に追われている私とは偉い違いである。彼の弟は医学部を卒業したが、医者にならないで毎日、コンピューターと戯れているような生活を送っているようだ。こういう人達がアメリカには結構多くいて、既得権で豊かな生活を送っている。日本にも多少はいるかもしれないが、相続税が多かったり、またある意味で競争社会でもあったりするのと、そもそもの豊かさのパイがたかがしれているので、それほどの差はない。

アメリカはそこらへんの差が固定化していくようなシステムになっており、底から這い上がるのは大変だ。バスケがとてつもなく上手かったりすれば別だが、その才能を生かせるようにするシステムなども出来ていなくて、才能に運が必要とされる。特に、この格差を固定化させるのに重要な位置づけを持っているのは教育である。私の友人も優秀な公立学校に通わせる、ということを最優先にて家を探した。私立の中学校に通わせるのであれば、年間100万円以上は覚悟しなくてはならない。まあ、払えない人は、公立学校で適当にやっていてよ、ということなのだろうが、この社会的な不公正は問題である。というのは、本当に能力のある人材を活かすような社会になっていないからだ。親が金持ちであると子供も有利にその後の人生が展開でき、そうでないと相当不利に人生を展開しなくてはらならない。トランプゲームの大貧民は、たいてい富豪が勝ち、貧民は負けるようになっているが、これはゲームの最初に差を設けるからである。これと同じように親によってその後の人生の有利、不利が決定する社会というのは、社会にとっても人材の能力をしっかりと活かせないのであまり好ましくないと思うのだが、どうであろうか。

特に、我が国で問題となるのは、政治家の世襲である。政治家の親を持つ人が、親の地盤を引き継いで立候補すると、極めて有利に選挙を展開できるし、政治家になった後もいろいろとメリットを享受できる。これなどは、政治家としてしっかりとした能力のある人をむしろ政治に関与させない問題点などもあり、是正させることが必要であるが、制度を変えるのが政治家で、その政治家がこの既得権を手放したくなので、どうにもならない事態に陥っている。麻生太郎のようなろくでもない無能が、なぜ日本の首相として居座れるかというと、親や祖父が立派だからである。だから、あんな無能でも選挙で通ってしまう。別に、政治家の親を持っていても立候補してもいいと思うが、そうであるなら親とは違う選挙区で出るようにするべきである。あんなに自民党を壊す、と叫んでいた小泉純一郎も、結局あまり出来がよさそうでもない息子に選挙地盤を引き継がせた。馬鹿をみたのは、それに踊らされた国民である。オバマに湧くアメリカにいると、格差社会は問題だと思うが、将来に希望が持てるか持てないか、という点ではアメリカの方がまだ日本に比べて希望が持てるような気がするのは悔しい。その希望は「チェンジ」できるという希望である。

レーカーズの試合から随分と話が飛んでしまった。


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