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サウスパークの環境問題の偽善性への風刺に感心する [サステイナブルな問題]

サウスパークのスマッグ・アラートを観る。下品と思われるかもしれないし、知性に問題があるんじゃないか、とも思われるかもしれないがサウスパークが好きである。あの風刺精神は、凄い。素晴らしい反骨精神である。その中でも、お気に入りのエピソードはスマッグ・アラートである。スマッグとはSMUGで、「いやに気取った」という意味である。もちろん、スモッグ・アラートにかけているこのタイトルのエピソードのあらすじは、気取った奴ら、すかした奴らが増えることで、大気に変化が起きて天変地域が起き、カイル一家がピンチに陥るところをエリックが救うというものである。このエピソードでターゲットとなっているのは、ハイブリッド・カーとサンフランシスコである。ハイブリッド・カーに乗り、優越感に浸り、それを誇示するカイルの父親。その優越意識の嫌らしさから、サウスパークの他の住民と溝をつくってしまい、カイル一家は「気取った奴ら」が集まるサンフランシスコに引っ越すことになる。親友のカイルを取り戻すために、カイルの父親が言った「もしサウスパークの人達が全員、ハイブリッドに乗ったなら戻ることを考えてもいい」ということを拠り所に、スタンリーがハイブリッドの車のキャンペーン・ソングをつくる。この歌が大いに受けて、サウスパークの住民は皆、ハイブリッドの車に乗る。しかし、そこで生じたのが「スマッグ・アラート」である。すなわち、ハイブリッドに乗ることで優越意識を持ったサウスパークの人々が、スモッグならぬスマッグの雲を生じさせ、それが危険水準に達したために「スマッグ・アラート」の状態になったのである。このスマッグ・アラートはサウスパークだけでなく、サンフランシスコ、ロスアンジェルスでも起き、スマッグの雲が重なることで天変地異が起こる。これによってサンフランシスコは消滅することになるのだが、その直前に、なんとエリックが命をかけてカイル家族を助けるのである。まあ、相も変わらず、下らない内容であるが、ハイブリッドに乗ると、周囲に見せたがるので、より自動車の走行距離が長くなって結局、大気汚染をより酷くすることや、ハイブリッドが悪いのではなくて、人より優れているという思いからハイブリッドを乗る人の心が悪い、とカイルが最後に言うところなどは説得力があり、痛快である。私は基本的にサステイナブルな社会を構築しようと、ない頭を使っている輩である。だから、基本的には環境の負荷を低くするような動きは大歓迎である。しかし、このハイブリッドの動きは、どうも偽善的で気に入らなかった。同じように「ソトコト」のような環境雑誌が、プラダとかルイヴィトンの広告を掲載しつつ、スローフード、エコロジーとか謳っているところも大変、気に入らなかった。そういうことの偽善性を、このサウスパークのエピソードは見事に露見している。サウスパークの多くの話は、下らないものが多いが、このスマッグ・アラートのように、非常に知性が感じられるエピソードが幾つかある。そういうのを観ると、こういうアニメをつくれるアメリカ人の懐の深さとインテリジェンスに感心をしてしまうのである。



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