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深川桜祭りに21世紀型のコミュニティ主体の祭りをみる [都市デザイン]

深川桜祭りが3月22日から門前仲町で開催されている(3月22日(土)から4月13日(日)まで)。私もゼミ生達と22日、23日そして29日、30日の週末に本場ドイツのハライコ・ソーセージの店を出して、多少は賑わいに貢献させてもらった(http://web.mac.com/hattorikeiro/サイト/Sakura_Matsuri.html)。

我々の屋台は石島橋という大横川にかかる橋の上で行われたのだが、我々以外は、海洋大学の学生による射的の店、そして主催者による味噌田楽の店を除けば皆、門前仲町の商店街の店舗による出店であった。佃煮屋のうなぎの串焼きや、焼鳥屋のハツ、煎餅屋のゴルゴンゾーラあられ、フランス料理屋のバゲット・サンドイッチやキッシュなど、商店街の店ならではの個性的でかつ美味な料理に舌鼓を打ちながら、大横川に並ぶ桜並木の桜を観賞する。これは、日本人ならではの楽しみだなあ、と思いつつふと気がついた。こんなに屋台で出ている料理が充実している祭りは滅多にない、というかほとんど初体験であることに。通常、祭りや縁日などに出ている屋台の食べ物は不味い、高い、不衛生といった3拍子が揃っている。もう、祭りの熱気で理性が働かなくなっているような状況でしか買わないようなものが売られている。そういうイメージを祭りの屋台に対して持っていた私は、この桜祭りの商店街による出店に大いなる感銘を受けたのである。しかも、これらの店が出している料理は安いのである。これは、まあ長期的にお得意さんを確保したいという戦略があるからなのかもしれないが、どっちにしろ嬉しい限りである。こういう祭りだと、本当にしょっちゅう来たくなる。商店街はどこも結構、スーパーマーケットやドンキのような格安チェーンの進出によって苦しんでいる。しかし、このようなコミュニティ主体のお祭りを開催することで、商店街の商店の良さや個性が大いに発揮できる。そもそも、商店街というのは、消費をする場であり、ハレ的な空間である。したがって、そのハレ的な要素を集約させたお祭りを商店街の商店に任せるのは、当を得ているのである。縁日や神社のお祭りなどにはまったく感心していなかったが、この深川の桜祭りには大いに感銘を受けた。私はそこに21世紀型の祭りの姿をみたのである。コミュニティの崩壊がいろいろな方面から指摘されているが、とりあえずコミュニティ主体でお祭りをするというのは、相当効果的な「都市の鍼治療」なのではないだろうか。
タグ:桜祭り 深川
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