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広井良典『ポスト資本主義』 [書評]

京都大学の広井良典教授が著した新書。広井先生の縮小時代における社会システムをどのようにつくっていけばいいのか、現状の課題を挙げて解説している。彼の思想が包括的に明解にまとめられており、広井先生の本をとりあえず読んでみたいという読者には、この本はお勧めである。広井先生の特徴は、その知識の裾野の幅が広いところである。法学部で学ぶが、科学史に関心を持ち、そちらに専門を移し、厚労省で働いたこともあるので、福祉政策・医療政策にも精通している。その幅の広い知識と視座が、現在・過去の社会システムを分析し、未来の望ましい社会システムを提示するうえで極めて有効に働いているのではないかと思わせる。この本は、そのエッセンスが集約されており、分かりやすい。


ポスト資本主義 科学・人間・社会の未来 (岩波新書)

ポスト資本主義 科学・人間・社会の未来 (岩波新書)

  • 作者: 広井 良典
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2015/09/17
  • メディア: Kindle版



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