SSブログ

菊次郎の夏 [映画批評]

1999年の北野武の作品。久石譲の作曲するメインテーマの「Summer」が非常に印象深い作品である。映画は前半部分こそストーリーもしっかりしていて、9歳の子供と、彼の母親探しを付き合うチンピラでハチャメチャの中年男性との珍道中で興味を引かれるが、母親との辛い再会の後は、グレート義太夫と井出らっきょというたけし軍団の中でも超いじられ役がひたすらたけし演じる主人公にサディスティックにいじられるという、テレビのバラエティ番組と同じような演出が延々と続き、面白くないとは言わないが、ストーリー性はない。完璧な内輪ノリであり、これでカンヌ国際映画祭に参加したということにちょっと驚く。映画としての構成力に関しては弱い作品であるのと、こういう情緒的な作品とたけし映画のバイオレンス性はあまり似合わないということにも気づかせられた。偽悪者を演じたらたけしは、相当いけると思うのだが、後半の部分の遊びがむしろ映画の質を落としてしまい、たけしの味までも殺してしまっている印象を受ける。


菊次郎の夏 [DVD]

菊次郎の夏 [DVD]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD



タグ:菊次郎の夏
nice!(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1