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アイスランドのブルーラグーンを訪れる [地球探訪記]

アイスランドの大観光施設の一つとして、ブルーラグーンというものがある。これは、まあ巨大な温泉プールなのだが、アイスランドの観光パンフレットなどには必ず掲載されているような観光スポットなのである。マスト・シー的な観光地である。ということで、せっかくアイスランドに来ているのである。行くことを検討した。ここは予約制で、インターネットで予約ができるのであるが、ウェブサイトをみて驚いた。ほとんど売り切れであり、我々の滞在期間中で行けるのは翌日の夜の11時からのコースのみであった。ちなみに閉店するのは12時である。これは、まあ行かなくてもしょうがないかな、と思ったのだが、紅一点のツアー参加者が絶対行く、とそもそも行かないという選択肢がないような迫力をもって迫ってきたので、他の男性3名もそれじゃあ、ということで11時からのコースを予約して行くことにした。
 さて、このブルーラグーンであるが、べらぼうに高い。最も安いコースでも日本円で6100円ぐらいで、これはタオルもつかない。ただ、次のコースは8100円でタオルやパック・サービスがつくが、2000円の付加価値があるとはとても思えない。ということで、当然のごとく6100円コース。
 また、このブルーラグーンは勝手にレイキャビク市内にある施設であると思っていたら、なんとレイキャビクから車で40分ぐらいも離れた荒涼たる何もないところに存在していることが分かった。ほぼ空港と同じぐらいの距離である。レンタカーをしているからいいようなものの、タクシーで行ったら4人でも相当の金額になったのではないかと思われる。
 ともかく、夜の11時、8月のアイスランドでも流石に暗くなり、星も出始める頃、我々はブルーラグーンに着いた。そこは、暗闇を引き裂くかのように、施設から出る光が湯気をスクリーンに周囲を照らしている。
 さて、このブルーラグーンだが、感想を一言でいえば今ひとつである。ただ、ここで今ひとつと思うのは、私が日本人であるからであろう。それは、一言で表せばレジャー温泉。常磐ハワイアンセンターのようなものである。今ひとつの理由は幾つかあるが、まず温度が37度〜39度と温い。周囲の気温は8月でも夜の11時だと10度前後なので、相当身体を温めないとお湯から出られない。そして、何より気になるのは、この温泉は天然温泉ではなく、隣接する地熱発電所の熱で水を温めているだけという代物であることだ。そして、2日に一回はお湯を変えているそうだが、掛け流し温泉を楽しんでいる我々、日本人からすると、ちょっと今ひとつと思わざるを得ない。
 このお湯自体は、珪酸塩を多く含んでおり、そういう点ではちょっと温泉に入っているような効果がある訳だが、温泉文化的な観点からは、私は日本の方が圧倒的に優れているし、洗練されているような印象を受けた。まあ、ライバルというか比較対象になるのは常磐ハワイアンセンターであろうか。常磐ハワイアンセンターも炭鉱から出たお湯の二次的利用と雇用創出といった観点からつくられたことを考えても、それは似ていると思う。
 ちなみにブルーラグーンがつくられた経緯としては、ここに1976年につくられた地熱発電所から出た排水によってつくられたプールに1981年から、人が入り始め、その健康効果みたいなのが語られ初めて、人気を博し、1992年にブルーラグーン株式会社がつくられた、ということだそうだ。知り合いのアイスランド人は、とんでもないクレイジーな人が発想した、と批判的な意見を述べていた。
 とはいっても、このブルーラグーンは常磐ハワイアンセンターなんかよりも、遙かに人気があるように思われる。それは、アイスランドの数少ない観光地ということもあるだろうが、なんかマーケティングをうまくしているような気がしなくもない。日本の温泉なんかもインバウンドの観光客を集客するのに参考となるような点もあるかもしれない。

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