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ポール・マッカートニーを武道館で観る(2017年4月25日) [ロック音楽]

 ポール・マッカートニーの武道館コンサートに行く。当然、最安チケットのB席である。ただ、B席でも4万円だ。前回の武道館コンサートもB席で行った。北西というステージ横というひどい席ではあったがステージは近かった。さて、今回もどうせ相当ひどい席だろうと覚悟していたが、2階ではあったが東Q列ということで、しっかりとステージは見えた。遠いとはいえ、ドームに比べればずっとポールは近い。
 コンサートの開演時間は18時30分であった。私は18時40分に着いたが、結局、コンサートが始まったのは19時であった。さて、緊張するのは最初の一曲目である。なんと「ハードデイズ・ナイト」であった。これは意外である。というのは、これはポールの曲よりジョンの曲というイメージが強いし、おそらくジョンの曲であると思われるからだ。むしろ「シー・ラブス・ユー」の方がよかったかなと思ったりもしたが、まあジョン亡き後、この曲を最もオリジナルに歌えるのはポールしかいないか。とはいえ、ポール・ファンの私としてはちょっと出鼻をくじかれた感じがしないでもない。次は「ジェット」。格好いい。ジェットはポールのペットの犬の名前である。マーサ・マイ・ディアのマーサの息子である。なんで、犬でこんな格好いい曲がつくれるのか、凡人の私には到底、理解できない。そして、「ドライブ・マイ・カー」。そうか、そう来るか。そして「ジュニアズ・ファーム」。この曲は中学時代とかベストを聞いた時は今ひとつな感じだったが、今ではなかなかフェイバレット・チューンになっている。次は「レット・ミー・ロール・イット」。この曲はポール、昔からよく演奏するが、個人的なランキングではそんなに高くない。貴重な一曲が・・・という思いをしないでもない。とはいえ、生ポールだからなあ。次は「アイ・ゴット・ア・フィーリング」。レット・イット・ビーからの貴重な一曲。その後、ジミヘンの「フォクシー・レディ」のチューンでギター・ソロを披露。それからは「マイ・ヴァレンタイン」、バンド・オン・ザ・ランから「1985」。そして、ある意味、ポールの中でも最も好きな曲の一つである「メイビー・アイム・アメイズド」。ただ、前回までは、リンダの曲を歌います、と言っていたが今回はしなかった。何かの心変わりか。そしてジョンとの共作である「ウィ・キャン・ワーク・イット・アウト」。次はなんと「エヴリ・ナイト」。ポールのソロ作品一枚目からの小作品である。渋すぎる選択だ!その後は、昔に戻ります、と言って「イン・スパイト・オブ・オール・ザ・デンジャー」というビートルズ初録音の曲を披露した。私はこの曲を聴くのは初めてだが、なんか、イギリスのフォークソングのような気の抜けた作品であった。ちょっと興味深い。そして、次は「ラブ・ミー・ドゥ」。ビートルズのデビュー曲ですが、本当、ポールは凄い曲をいきなり作ったなと改めて関心する。続いて「ブラックバード」、「ヒア・トゥデイ」というアコギ曲を二曲披露すると、ピアノに座って、ニューのアルバムからの「クイニー・アイ」を演奏する。私は、どちらかというと最近のポールのアルバムは買ってもあまり熱心に聴かないのだが、この曲、改めて聴くと全然、悪くないし、ポール節炸裂している。そのままピアノに座ったまま、「レディ・マドンナ」。本当、次代に歌い継がれる名曲だ。
 ピアノから立つと、ベースを肩からかけて「次は日本初披露曲です」と紹介して、もう、期待に胸を膨らませていると「アイ・ワナ・ビー・ユア・マン」であった。え、リンゴが歌っていた曲じゃない。この曲は中学時代、ビートルズを聴きまくっていた時、そんなに好きじゃなかったんだよなあ、と思いつつ、ただ改めて聴くとそんなに悪くない。というか、いいロックンロール曲だ。とはいえ、初披露だと、例えば「オー・ダーリン」とか「アイ・ウィル」、「フォア・ノーワン」とかを期待してしまったが。
 しかし、ちょっと落胆した私にポールは「マジカル・ミステリー・ツアー」で答えてくれた。うわーっ、これは凄い。圧倒的なメロディー・センス、とてつもない楽曲だ。ノリノリになった私に、しかし、次は「ビーイング・フォア・ベネフィット・オブ・ザ・ミスター・カイト」。これは2013年でも披露していた曲だが、どうせジョンの曲を歌うのであれば、同じアルバムの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド」とか「ストロベリー・フィールズ・フォアエヴァー」とかを演奏してくれればいいのにと贅沢にも思ってしまう。というか、初めて聴いた時は大感動したが、何回か聴くと、貴重な一曲が、と思ってしまう。まあ、ファンは贅沢で無責任なものですね。
 続いて「オブラディ・オブラダ」、「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド(リプライズ)」、「バック・イン・ザUSSR」、「レット・イット・ビー」、「リブ・アンド・レット・ダイ」、「ヘイ・ジュード」。こうやって書くと改めてけちのつけようがない流れ。
 そして、アンコール曲は「イエスタデイ」、観客をステージに上げたあと「ハイ・ハイ・ハイ」。これもポールはライブで演奏するのが好きなのだが、私としては数少ないそんなに好きではない曲。勿体ない。これで終わると辛いな、と思ったらピアノに座り、「ゴールデン・スランバー」を弾き始める。そして、アビー・ロード無敵のB面メドレー。これは、今日のコンサートで最も感動的で、心に迫った。このプログレの大曲のような組曲にこそ、ポールのたぐいまれなソング・ライティングの才能が凝縮されている。涙なしには聞けない、と書きつつ、今日は落涙することはなかった。それは、それでポールのコンサート馴れしているということで、幸せなことだと思ったりする。
 前回からそれほど時間が経たずにポールが来日したということや、セトリも前回とあまり変わっていない。また、バック・ナンバーは全員、同じということで、目新しいところはそれほど無かったコンサートと言えるかもしれないが、今回が最後となる可能性は高いとちょっと感じたりもした。もし、最後でなければ、それはそれで大変嬉しいことだが、最後であるという可能性も踏まえたうえで、有り難がらないと行けないと思う。ポールというモーツァルト、ベートーベンに匹敵する音楽的天才と同時代に生まれ、さらに違う国にいつつも、自国でそのコンサートを楽しめるという幸せを感謝すべきだと思う。まあ、人に押しつけるようなことはないのかもしれないが、私は本当に至福な気分である。
 あと、今回は宇宙団のリーダーの望月と一緒にコンサートに行ったのだが、彼女が生ポールを観て、どのように感化を受けるのかは興味津々である。それが作品に反映されたら、私としてもファン冥利に尽きるというものである。

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