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オールド・ハバナの色は原則4色 [都市デザイン]

オールド・ハバナの街並の色は鮮やかである。しかし、先日訪れたグアナファトとはちょっと違う。グアナファトの方が、はるかに色彩が多様である。グアナファトをフルオーケストラと例えると、オールド・ハバナはジャズ・カルテットという感じか。なぜなら、原則として4色が使われているからだ。
 この4色とは、鮮やかな水色、エメラルド・グリーン、渋い感じのサーモン・ピンク、そして薄黄色である。まるで、パレットの絵の具がこの4色にないかのように、似たような色で建物が塗られている。そして、隣同士は違う色で塗る傾向がある。
 グアナファトでみたような深緑、黄緑、ショッキング・ピンクなどの色はない。また、全般的に色が煤けているように見えるのは、ペンキを最後に塗ってから時間が経っているのだろうか。
 さて、しかしグアナファトを訪れたので、それほど感動はしていないが、それにしても、オールド・ハバナは色鮮やかであるのは間違いない。全般的な街並みは、マイアミというよりかは、ニュー・オリンズのフレンチ・クォーターを彷彿とさせる。おそらく時期的に開発されたのがフレンチ・クォーターに近いからではないだろうか。カリブ海沿いの都市文化を共有しているのではないか、という勝手な憶測をしながら街を見て歩く。
 オールド・ハバナは商業的な活動も盛んのように見受けられる。外国人観光客が多いからかもしれないが、資本主義の都市との違いがあまり感じられない。感じられるとしたら車か。確かに車はクラシック・カーが多く走っており、クラシック・カーのマニアには堪らない魅力だろうな、と思ったりする。
 私は旧社会主義の都市、特に東ドイツの都市を研究してきたが、それらの都市の社会主義時代の建物は灰色であった。これは、社会主義というのは人の個性とかを優先しないので、人の色彩の好みとかも非効率であると捉えたからである。それでも、ちょっと色がついた社会主義団地もあったりしたが、それらの背景をきくと、中央政府から離れていたために、あまり管理が行き届かなかったので、その間隙を地元の建築家が突いたのだ、という説明を聞いて、うんざりしたことがある。社会主義はやっぱり嫌だな、とその話を聞いて強く思った。それに比して、ここキューバは社会主義であるのに色彩豊かである。多分、人々の色への憧れ、色への情熱といったものを肯定したからキューバの社会主義はまだ維持されていて、旧東ドイツは失敗したのではないか、と思ったりもした。
 いや、しかし、もっと根源的な風土的な違いもあるかもしれない。この太陽の日照りの強さに灰色はあまりにも似合わない。この日照りの強さを賛美するには、鮮やかな色彩が一番しっくりくる。
 
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