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キューバのオールド・ハバナで葉巻詐欺に遭いそうになる [地球探訪記]

 キューバのオールド・ハバナを歩いていると、親しげな顔をして英語で話しかけてきたおじさんがいた。ちょうど、両替所を探しているというと、こっちにあるから教えてあげる、と言う。一緒に行っていってやろう、というので、これは有り難いとついていく。歩きながら、彼は「葉巻に興味はないか」と聞いてくる。我々は、「興味はないことはない」といったら、「それはいい。今日は月に二回だけ、安く卸す日だ。そこに連れて行ってやろう」という。まあ、葉巻はともかく両替所は重要なので一緒に歩いていたが、私は連れの人に「ちょっと怪しいかもね」などと言うと、この彼は日本語が理解できるかのように、我々を振り返って「私は全然、怪しくない。私は、ホテルで働いているし、そこまで連れて行ったら私はすぐ別れるから。」という。お金も持っているし」と言って丁寧に財布の中身まで見せてくれる。そして、「今日は家族と一緒にビーチに行くんだ」と言って、財布の中の娘の写真までみせてくれる。ヴィクトリアというらしい。
 ホテルで働いているから英語が流暢であるのか、とこちらも納得して、信用する。さて、300メートルぐらい歩くと、「あそこの市場のようなところに両替所がある。こっちで葉巻が買える」と言って、番人が立っている建物に連れて行く。この彼は、番人とちょっと話をした後、別れを言って去っていった。番人が立っているというだけで、これはめちゃくちゃ危険である。我々は、ホテルマンという彼がちょっと離れた後、番人に「ちょっとお金を両替したらまた来るから」と言って、そこを去ろうとすると、番人は「いやいや、とりあえず中に入りなよ」と言ってくる。これはますます怪しいと思った我々は「いや、お金を両替したら戻ってくるから」と返して、その場を立ち去った。
 市場に行くと、確かにそこには両替所があって、ようやくメキシコペソをCUCに両替することができた。これに関して、彼は嘘をついていなかった。
 あの場所に入ったら何が起きたのだろうか。まあ、結構怖い思いをさせられたであろう。少なくとも劣悪な葉巻を法外な値段で買わされたであろう。今、振り返ると、いきなり「私は怪しくない」と弁解したことなど、後ろめたい気持ちがなければあり得ないのだが、とても愛想がよくて人がいい感じなので、思わず騙されるところであった。よく「地球の歩き方」に、こういう詐欺事件が紹介されているが、実際、体験すると、これじゃあ、騙されてしまうよな、というほど人がいい感じなのである。また、その出会いが偶然である、ということが、そのような詐欺師を信用してしまうのではないだろうか。
 人を見たら泥棒と思え、という考えで活動していると、あまり観光自体を楽しむことはできないが、やはり観光客はヴァルナブルな存在であるので、その点は強く自覚しなくてはならないと思わせられた。

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