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中国の新幹線の脱線事故が示唆すること [原発問題]

中国の新幹線が死傷者を200人超える悲惨な脱線事故を起こした。まだ開業してから4年しか経っていない。世界には新幹線と比較されるような高速鉄道が幾つかある。フランスのTGVやドイツのICEなどである。TGVはおもに追突事故が中心であるが、ICEは100名を越す死者を出すような事故を起こしたことがある。日本の新幹線は、地震時に脱線事故を一度だけ起こしたことがあるが、死者は一人も出していない。新幹線は世界で最も早く運行を始めた高速鉄道である。2007年度の輸送人員は3億5218万人(東北新幹線が8483万人(東京 - 八戸)、上越新幹線(大宮 - 新潟)が3829万人、長野新幹線(高崎 - 長野)が1013万人、東海道新幹線が15132万人、山陽新幹線が6343万人、九州新幹線が418万人)であった。これはTGVの約7倍である。ちなみに運行本数はTGVの2倍であるから、商業的にいかに新幹線が成功しているかも分かるであろう。まあ、圧倒的に新幹線は高速鉄道のチャンピオンであるのだ。TGVは無理して高速で運行しているが、ダイヤが守れないために、時間通りに運行できない。私は本当にTGVにはひどい目に複数回あわされている。新幹線と同じ土俵に乗ることもできない三流品であるというのが私の率直な感想だ。

さて、しかし、このような高度な運行管理技術を有している日本であっても、原発はコントロールすることができなかった。日本でさえ無理であったということは、ちょっと言い方が嫌らしくて申し訳ないのだが、中国やドイツ、フランスでも出来ないと考察できる。実際、ドイツが脱原発に移行したのは、「あの日本人でさえ安全に稼働できなければ、人類は原発を安全に稼働させるのは無理だ」と考えたからだと言われている。私もそう思う。

先日、フランス人の留学生が私の講義で大変興味深い発表をした。フランスの原発の安全性、という内容であったのだが、彼の発表では、フランスは放射能の発見に貢献したフランス人が多くいることが自慢らしく(例えば、最近よく聞くベクレルや、キュリー夫妻。キュリー夫人はポーランド人なのだが、フランス人と結婚したので、フランス的にはどうもフランス人らしいのだ)、また、日本のように被曝した経験もないので、原発の恐ろしさなどには鈍感なそうである。また、フランスの原発は結構、小さな事故が頻繁に起こっているらしく、彼の考えだと、相当、危ないそうだ。私が、「それじゃあ、そのうち事故が起きるね」というと、上手な日本語で「そうそう、起きる、起きる」と答えた。日本における新幹線の技術の高さを再確認するにつけ、その日本でも防げなかった原発事故は、今後、地球上の各地で起きることにほぼ確信する。中国は当然であるが、フランスでも起きるであろう。人類は戦争では滅びなかったかもしれないが、原発によって滅びる道を歩むのか。中国の新幹線事故は、人類の暗い将来を暗示しているかのようだ。運転席を急いで破壊して土に埋めるような国だ。原発が起きてもいろいろと隠蔽工作をするであろう。しかし、隠蔽工作をしても放射能が漏れることは防げない。なんか、未来が暗いなあ。

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