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JR桜井線(万葉まほろば線)に乗る [サステイナブルな問題]

私の学生が卒論で桜井線(万葉まほろば線)をテーマにしている。桜井線、これまで乗ったことはない。指導するうえでこれは不味いだろうということで、天気も晴れていたので乗車をしにいく。しかし、京都では秋晴れのいい天気だったのに近鉄奈良駅に着いたら雨。ついていない。そこから奈良駅まで歩いて行ってもいいのだが、奈良町でもちょっと巡るかということで、一駅歩いて京終駅まで行く。途中、雨足が強くなって、逃げるようにして駅舎に駆け込む。ちなみに京終駅ってどう読むか分かるだろうか?「きょうばて」だ。もう、ここまで当て字だと、漢字としての機能を失っているのではないかといいたくもなる。ちなみに、桜井線はその後も、帯解(おびとけ)、櫟本(いちのもと)、巻向(まきむくえ)、香具山(かぐやま)、畝傍(うねび)という難読の駅が続く。ちなみに駅数は14で、その延長距離は30キロメートル弱である。
 京終駅は、なんかエライお洒落で、待合室にピアノなどが置かれている。おそろしく洗練されたカフェが併設されており、そこでは小物グッズが販売されているのだが、それらもセレクト・グッズのように上品でお洒落なのである。なんでも二年半前に開業したそうだ。電車が来る前に珈琲を注文したのだが、出てくるまでに3分ぐらい待たされた。これは、丁寧に淹れているからであり、スローライフのお洒落駅という感じだ。駅には車掌さんのような方がいて、この人はJRの社員かボランティアのおじさんか、危ないおじさんかは分からなかったのだが、待合室で待機している観光客と思しき人に町の解説をしていた。ちょっとお話を聞きたかったが、電車が来たので駅を後にする。電車は二両編成で最新の車輌であった。とても快適な車輌である。驚いたのは、結構、乗客が多いということで立っている人などもいる。一時間に二本というダイヤではあるが、これは結構、人々の足としては機能しているといえるのではないだろうか。いや、当然、赤字ではあろうが、これは例えばドイツのローカル鉄道などと比較すると、ずっと使われている。JRは当然、廃線にしたいという意向があるかもしれないが、これは奈良県とかがしっかりと維持しておくべき路線だなという印象を持つ。というか、本当、上下分離を一刻も早く実施すべきだと思う。
 当然、単線なのだが、なぜか天理駅は二つ島型のホームであった。しかも橋上駅。単線でホームを4つつくることの意味が分からないのだが、何かあるのだろうか?ちなみに天理駅周辺はえらい立派で、金がかかっているように見えた。世界を代表する宗教都市。初めて訪れたような気がするが、今度、しっかりと調べてみたいなと思ったりもする。
 車窓からの風景は田園に安普請の郊外住宅が並ぶ、乱開発された光景。まったく美しくないが、遠くに目をやると山の稜線が美しい。この郊外住宅の醜悪の光景は結構、ずっと続く。
桜井駅で線路は90度に曲り、ここからは近鉄線と並行して走っていく。さて、私は終点の高田駅まで乗らずに畝傍駅で降りる。畝傍駅は結構、立派な駅で駅の駐輪場には多くの自転車が駐輪していた、駐車場も結構、車が駐車されていた。しかし、これらが桜井線の利用者かどうかは不明だ。
 ドイツに住んでいた時、鉄道を乗りまくっており、多くのローカル鉄道も乗ったが、この桜井線は郊外鉄道の性格も有しており、近鉄が平行に走っていたりするので経営的に難しい側面もあるが、活用の可能性は多いにあるなというのが率直な感想だ。まあ、逆にいえば、これぐらいの利用者がいて、沿線の土地開発が進んでいても公共交通が黒字にならないのは世界的にみれば当然な話なので、これらを公共事業体が税金で担っていくか、少なくとも上下分離にすることは一刻も早く検討すべき課題であろう。
 

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