SSブログ

東京事変の解散コンサートの最終日を日本武道館へと観に行く [ロック音楽]

東京事変の解散コンサートのラス日に行く。日本武道館だ。2階席だが、真っ正面の南でF列。悪くない。椎名林檎のファンクラブに長年、入っていたことが報われたと嬉しく思う。

さて、コンサートは開演時間から15分ぐらい遅れて始まった。最初の曲は「生きる」。おお、いきなり「生きる」から始めるか。ドラマティックに歌い上げて、その後、アップビートへと展開する「スポーツ」の一曲目でコンサートは幕を開ける。二曲目は「新しい文明開化」。ディスカバリーのコンサートでは、アンコール曲であった、このノリノリの曲を二曲目に持って行くとは、さすが解散コンサートだ。鳥肌が立つように興奮してくるのが分かる。三曲目は、しかし「カラーバー」のアルバムの「今夜は空騒ぎ」。ちょっと、ノリの小休止という感じだ。水を差された印象を受けるが、次は「オスカ」。私の好きなタイプの曲ではないが、それでもノリは戻ってくる。4人の踊り子が出てくるが、なかなか舞台を盛り上げる。「FOUL」を経て、「シーズンサヨナラ」。「シーズンサヨナラ」では、猫さんがバイオリンをステージの真ん中で弾く。格好いいわあ。「シーズンサヨナラ」ってこんな名曲だったんだ。いやあ、やっぱり来てよかった、というか生きててよかった、とまで思わせるライブだ。と思っていたら、「海底に巣くう男」。おいおいおい、解散コンサートでこの曲かい?この曲が終わると椎名林檎がピアノの前に座って弾き始める。伊澤一葉が真ん中で歌い出す。「怪ホラーダスト」だ。曲は悪くないけど、解散コンサートにこの曲?さらに刃田作詞・作曲の「ほんとのところ」。これは、間違いなく東京事変の最底の曲だ。出だしの盛り上がりは、ここで完全にしぼむ。そして、「saita」。もう、これは普通の東京事変のコンサートである。と落胆したら、「能動的三分間」が始まる。これまでのコンサートで現れてきたデジタルの時計が今回はない。そして、「修羅場」。久しぶりに聴くけど、これはなかなかの名曲じゃないか。浮雲のアコースティック・ギターのアレンジはめちゃくちゃ味がある。少し、機嫌が回復したら「絶体絶命」。これは、ディスカバリーのコンサートでは披露しなかった曲だが、もう素晴らしい出来だ。大いに感動する。とはいえ、この曲は、バックの演奏はなく、椎名林檎のソロ。そして、次は「アイスクリームの歌」。昭和35年につくられた曲だ。椎名林檎以外のメンバーが歌う。亀田師匠の歌が下手。なぜ、コーラスを取らないかを理解する。まあ、しかし、ここらへんは愛嬌でカバーである。そして、椎名林檎が楽曲を栗山千明に提供した「おいしい季節」。これは椎名林檎が歌うのは初めて聴くが、素晴らしき名曲だ。そして、「女の子は誰でも」、「お祭り騒ぎ」。「お祭り騒ぎ」は椎名林檎エキスポでも演奏されていた。椎名林檎、この曲好きなのかなあ。踊り子が阿波踊りのような踊りを披露するが、なかなか面白い。次は「天国へようこそ」。そして、「タイムカプセル」。結局、「カラーバー」に収録された曲は全曲、披露された。これは、解散コンサートというコンセプト的には、個人的には納得できない。とはいえ、ここからはエンディングに向けて、大いに盛り上げていく曲が続く。「電波通信」、「閃光少女」、「勝ち戦」、「キラーチューン」。いやあ、キラーチューン、いいわあ。亀田師匠の曲は、林檎嬢の曲に比べると、今ひとつの印象を持っているのだが、「キラーチューン」は別格だ。そして、アンコール前は「空が鳴っている」。まあ、悪い曲ではないが、最後の曲としては、ちょっとズレを感じない訳ではない。東京事変で数々の名曲を世に出してきて、アンコール前とはいえラストが「空が鳴っている」というのは、納得しにくい。

さて、アンコールの一曲目は、「丸の内サディスティックス」。イントロのコード弾きでもう涙もんです。いやあ、生きててよかったあ。そして、「群青日和」。さらに最後の曲は「青春の瞬き」。またもや、栗山千明への提供曲である。素晴らしい曲ではあるが、東京事変というバンドの解散コンサートの曲に最後に持ってくる曲なのか、という疑問が湧く。さて、そして二回目のコンサートでは「透明人間」。最後に「またあなたに会えるのを楽しみに待ってさようなら」の言葉で終わる。

ううむ。素晴らしいコンサートではあったが、東京事変の解散コンサートのラス日であることを考えると、ちょっとどうかな、とも思わないでもない。やはり「スポーツ」からの選曲が多い。私も「スポーツ」は東京事変の最高傑作であると考えるものなので、納得だ。個人的に入れてもよかったのではと思う曲は、「ドーパミント」、「遭難」、「少女ロボット」、「秘密」、「化粧直し」かな。個人的に入れて欲しかったのは「落日」。まあ、ここらへんはカラーバーの曲を省いたら入れられただろうから、そういう点では残念。結構、感情的なものがメンバーから出てくるかなとも期待したが、極めて淡々とビジネス・ライクにコンサートは進展し、そして終わってしまった。8888円の価値は確実にあるけど、解散コンサートというイベント性を商品にされてしまったという気がしないでもない。

とはいえ、最近、林檎が栗山千明に提供した2曲を改めて聴いて、彼女の才能がまだまだ枯渇していないことも確認できた。私は、東京事変のファンではなく、椎名林檎のファンであるからにして、今回の解散コンサートもそれほどショックではない。椎名林檎が生きていて、椎名林檎がまた心を震わせるような、これまで聴いたこともないような曲を創造してくれることを期待して、コンサート会場の武道館から帰路に着く。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0