国立大学元教授のあまりのデタラメの英語を検証する [英語関連]
知り合いの国立大学元教授(現在は某私立大学教授)が私も所属するメイリスに送った英語メイルがあまりにもデタラメなので、それを検証する。なぜ、そういうことをこのブログでするか。その目的は二つある。一つは、この元教授は大学内でもアカデミック内でもどちらかというと国際派で通っている印象を受ける。おそらく、英語での講義とかも担当していたのではないか、と思われる。しかし、それで、このレベルなのである。これは、この個人を批判するのではなく、国立大学の教授で国際派であっても、この程度の英語のレベルであるという厳然たる事実を知ってもらいたいからだ。ちなみに私の前任校でアメリカで博士号を取得した同僚の先生もいたが、彼も8年間ぐらいアメリカに暮らしていたが書いている英語は意味不明に近いデタラメなものであった。それだけ、英語で文章を書くというか、英語は難しいのである。現在、大学院でも英語での講義をするような動きがあるが、国立大学で国際派で通っていても、こんなデタラメな英語しか使えないということを知ってもらいたいのだ。そして、その結論としては、今のアホな英語偏重教育は止めろということを提言したい。無駄だから。いや、英語で喰っていきたい人のための講義は必要だと思う。また、特別に選ばれた大学では英語オンリーの講義をするようなコースをつくってもいいとは思う。しかし、猫も杓子も英語コースを大学院でつくろうとするようなことや、中学生や高校生全員に義務教育で教えるようなことは止めた方がいい。国立大学に入っても、この程度の英語での講義しか受けることができないのであるから。そうそう、こういう違和感を感じたのは、私が東京大学の学部生の時、東京大学の常勤の教授の英語での講義があったが、もうまったく訳分からない英語で講義していたのを受講したときが最初である。こんなのはまったく無駄だと、もう随分昔だが思ったことを思い出した。あと、東京大学だからね!それでもこんな訳分からない英語での講義をしていたのだ。というか、本当、外国人からみたらギャグのようだと思う。もう一つの意図は、このようなメイルを外国人に送って恥を書かせないチェック方法があるので、それをここでこのメイルを読んでくれた奇特な人と共有したいということもある。
まず、その英文メイルを下に記す。固有名詞はイニシャルにしている。
I went to the funeral of Mr.H yesterday. It was informal unique style as H- san might like as attached photo. I gave the messages collection of yours to H san’s wife T. She told that R came to meet them last time, it was very very pleasure for them. She was quiet at the ceremony, which I could feel as if desperately trying to suppress a deep sadness of big loss.
There I met many of older colleagues of our network for the first time in a while. It was as if Mr. H had convented.
Sincerely,
さて、それではチェックしたい。
最初の文章は特に問題がない。
二番目の下記の文章からちょっとおかしい。
It was informal unique style as H- san might like as attached photo.
葬儀がユニークなスタイル、というよりか、これはむしろ「葬儀はユニークなスタイルで執り行われた」という文章にした方が英語的だ。つまり、
It was conducted in informal and unique way (fashion) that H-san would appreciate.
とした方がよい。Style でもいいが、スタイルは様式とか流儀の意味であって、この場合は、そういうスタイルというよりかはやり方なのではないかと推察したので、way か fashionを使う方がいいかと思う。あと as attached photo は、as shown in attached photoと書くのがより適切だ。まあ、しかし、これは通じる。
三番目の文章は下記である。
I gave the messages collection of yours to H san’s wife T
ここでは素直に「I gave your condolence messages」でいいですね。
Collection をどうしても使いたかったら、I gave a collection of your condolence messagesですかね。まあ、しかし、これは通じますね。
四番目の下記の文章もおかしい。
She told that R came to meet them last time, it was very very pleasure for them.
まずtell (told)はこの場合は他動詞ですので、目的語が必要です。この場合の目的語はmeでしょうか。その次におかしいのはlast time. これは、直訳すると「「前回Rが会いに来た」と彼女は言いました」が、ここで前回って何でしょうか?。ここは具体的にa year agoとかlast year とか、not so long time agoとかを書くべきでしょう。
あと、それに続く、文章ですが、pleasureは名詞(動詞もあるが)ですので、副詞であるveryで形容できません(very の形容詞もあるが、意味が全然異なる)。Very dog とかVery tableとかいうような間違いです。
五番目の下記の文章はそれほど悪くないですが改善の余地はあります。
She was quiet at the ceremony, which I could feel as if desperately trying to suppress a deep sadness of big loss.
まず、whichで結ばない方がいいです。特に文法力がない人は関係代名詞、関係副詞は使わない方がいいです。そうでなくても分からない英文がさらに分からなくなりますから。したがって、下記のようにした方が分かりやすいかと思います。あとこの場合のlossはtheがあった方がいいですね。
She was quiet at the ceremony. I could feel that she was trying desperately to suppress her deep sadness of the (her) big loss.
さて、6番目の文章ですが、これは大丈夫ですかね。私なら違う書き方をしますが。ただ、Thereの後にはコンマが文法的に必要です。
There I met many of older colleagues of our network for the first time in a while.
そして、最後の文章。
It was as if Mr. H had convented.
この文章が個人的に許せなくて、このメイルをブログに挙げてしまったのですが、conventedというのはconventという動詞の現在分詞として使っているのでしょうが、conventという動詞はありません。ない単語を使うのはちょっと論外かと思うのです。こういうミスがあるのは、ある程度、英語に自信があるからかもしれませんが、conventは名詞で修道院という意味です。もしかしたら、conveneという言葉を使いたかったのかもしれないし、タイプミスかもしれません。
さて、しかし、この私のように文法的に修正できる英語のレベルに到達するのは大変だ。その時にどうすればいいか。それはAIを使うのだ。まず、英語を日本語にAIで訳す。そして、それが自分が言いたいことかどうかをチェックする。必要に応じて日本語を直した後、その日本語を再びにAIで英語に訳す。AIの英語訳は英文法的にはほぼ完璧である。実際、この文章を上記のように一度、日本語に直して、再び、英語に戻す。すると以下のようになる。
Yesterday I went to Mr. H's funeral. As you can see in the attached photo, it was a casual and unique style that Mr. H liked. I gave your message collection to Mr. H's wife, Mr. T. Mr. R came to see me the other day and he said he was very happy. She was quiet during the ceremony, but it felt like she was desperately trying to suppress the deep sadness of a great loss.
There, I met many seniors from our network for the first time in a while. It was as if Mr. H was holding a meeting.
Sincerely,
二行目のMr.H likedはMr.H would have liked. になるかと思うのと二行目からの文章はさすがのAIも分からなかったようだ。文意がまったく変わっている。こういうのは修正が必要であろうが、最初の文章に比べて、全然、まともな英語になるかと思うし、読む相手にも失礼ではない。是非とも、英文を書く必要がある場合は、この方法を使うといいかと思う。ただ、それでも完全ではないので、しっかりと校正するのだけは忘れないで欲しい。あと、最初から日本語の文章を訳させればいいじゃないか、というのもあるかもしれないが、日本語と英語だとあまりにも文章の構造とかが違うので、論文のようなロジカルな文章は別だが、通常の文章だとAIは翻訳が難しい。そのように考えると、頑張って英語で書いて、それを一度、日本語に訳させて再びチェックして、という二段階を取った方がいいのではないか、と考える次第である。
あと、これは故人を偲ぶためのメイルである。そういうメイルを例として挙げるのは非礼であるという指摘がもしかしたら読者からもあるかもしれない。しかし、私はむしろ、こういう故人を偲ぶようなメイルであるからこそ、しっかりとした英語を書くべきであると強く思うのである。いろいろな捉え方はあるだろうが、私はこれは故人への侮辱のように受け取ってしまった。もちろん、この文章を書いた人がそのような意識を持っていないということは確信しているが、それにしてもという気持ちがある。日本語だったら、このような文をこのような状況で書くことはあり得ない。
まず、その英文メイルを下に記す。固有名詞はイニシャルにしている。
I went to the funeral of Mr.H yesterday. It was informal unique style as H- san might like as attached photo. I gave the messages collection of yours to H san’s wife T. She told that R came to meet them last time, it was very very pleasure for them. She was quiet at the ceremony, which I could feel as if desperately trying to suppress a deep sadness of big loss.
There I met many of older colleagues of our network for the first time in a while. It was as if Mr. H had convented.
Sincerely,
さて、それではチェックしたい。
最初の文章は特に問題がない。
二番目の下記の文章からちょっとおかしい。
It was informal unique style as H- san might like as attached photo.
葬儀がユニークなスタイル、というよりか、これはむしろ「葬儀はユニークなスタイルで執り行われた」という文章にした方が英語的だ。つまり、
It was conducted in informal and unique way (fashion) that H-san would appreciate.
とした方がよい。Style でもいいが、スタイルは様式とか流儀の意味であって、この場合は、そういうスタイルというよりかはやり方なのではないかと推察したので、way か fashionを使う方がいいかと思う。あと as attached photo は、as shown in attached photoと書くのがより適切だ。まあ、しかし、これは通じる。
三番目の文章は下記である。
I gave the messages collection of yours to H san’s wife T
ここでは素直に「I gave your condolence messages」でいいですね。
Collection をどうしても使いたかったら、I gave a collection of your condolence messagesですかね。まあ、しかし、これは通じますね。
四番目の下記の文章もおかしい。
She told that R came to meet them last time, it was very very pleasure for them.
まずtell (told)はこの場合は他動詞ですので、目的語が必要です。この場合の目的語はmeでしょうか。その次におかしいのはlast time. これは、直訳すると「「前回Rが会いに来た」と彼女は言いました」が、ここで前回って何でしょうか?。ここは具体的にa year agoとかlast year とか、not so long time agoとかを書くべきでしょう。
あと、それに続く、文章ですが、pleasureは名詞(動詞もあるが)ですので、副詞であるveryで形容できません(very の形容詞もあるが、意味が全然異なる)。Very dog とかVery tableとかいうような間違いです。
五番目の下記の文章はそれほど悪くないですが改善の余地はあります。
She was quiet at the ceremony, which I could feel as if desperately trying to suppress a deep sadness of big loss.
まず、whichで結ばない方がいいです。特に文法力がない人は関係代名詞、関係副詞は使わない方がいいです。そうでなくても分からない英文がさらに分からなくなりますから。したがって、下記のようにした方が分かりやすいかと思います。あとこの場合のlossはtheがあった方がいいですね。
She was quiet at the ceremony. I could feel that she was trying desperately to suppress her deep sadness of the (her) big loss.
さて、6番目の文章ですが、これは大丈夫ですかね。私なら違う書き方をしますが。ただ、Thereの後にはコンマが文法的に必要です。
There I met many of older colleagues of our network for the first time in a while.
そして、最後の文章。
It was as if Mr. H had convented.
この文章が個人的に許せなくて、このメイルをブログに挙げてしまったのですが、conventedというのはconventという動詞の現在分詞として使っているのでしょうが、conventという動詞はありません。ない単語を使うのはちょっと論外かと思うのです。こういうミスがあるのは、ある程度、英語に自信があるからかもしれませんが、conventは名詞で修道院という意味です。もしかしたら、conveneという言葉を使いたかったのかもしれないし、タイプミスかもしれません。
さて、しかし、この私のように文法的に修正できる英語のレベルに到達するのは大変だ。その時にどうすればいいか。それはAIを使うのだ。まず、英語を日本語にAIで訳す。そして、それが自分が言いたいことかどうかをチェックする。必要に応じて日本語を直した後、その日本語を再びにAIで英語に訳す。AIの英語訳は英文法的にはほぼ完璧である。実際、この文章を上記のように一度、日本語に直して、再び、英語に戻す。すると以下のようになる。
Yesterday I went to Mr. H's funeral. As you can see in the attached photo, it was a casual and unique style that Mr. H liked. I gave your message collection to Mr. H's wife, Mr. T. Mr. R came to see me the other day and he said he was very happy. She was quiet during the ceremony, but it felt like she was desperately trying to suppress the deep sadness of a great loss.
There, I met many seniors from our network for the first time in a while. It was as if Mr. H was holding a meeting.
Sincerely,
二行目のMr.H likedはMr.H would have liked. になるかと思うのと二行目からの文章はさすがのAIも分からなかったようだ。文意がまったく変わっている。こういうのは修正が必要であろうが、最初の文章に比べて、全然、まともな英語になるかと思うし、読む相手にも失礼ではない。是非とも、英文を書く必要がある場合は、この方法を使うといいかと思う。ただ、それでも完全ではないので、しっかりと校正するのだけは忘れないで欲しい。あと、最初から日本語の文章を訳させればいいじゃないか、というのもあるかもしれないが、日本語と英語だとあまりにも文章の構造とかが違うので、論文のようなロジカルな文章は別だが、通常の文章だとAIは翻訳が難しい。そのように考えると、頑張って英語で書いて、それを一度、日本語に訳させて再びチェックして、という二段階を取った方がいいのではないか、と考える次第である。
あと、これは故人を偲ぶためのメイルである。そういうメイルを例として挙げるのは非礼であるという指摘がもしかしたら読者からもあるかもしれない。しかし、私はむしろ、こういう故人を偲ぶようなメイルであるからこそ、しっかりとした英語を書くべきであると強く思うのである。いろいろな捉え方はあるだろうが、私はこれは故人への侮辱のように受け取ってしまった。もちろん、この文章を書いた人がそのような意識を持っていないということは確信しているが、それにしてもという気持ちがある。日本語だったら、このような文をこのような状況で書くことはあり得ない。