フランクフルト・オーデルを訪れる [グローバルな問題]
ドイツとポーランドの国境にフランクフルトという都市がある。ヘッセン州にあるフランクフルトが有名だが、このフランクフルトはアム・マインが通常、つけられる。これは、マイン川のフランクフルトという意味で、ブランデンブルク州にあるフランクフルトと混在しないためである。ただ、普通、フランクフルトというと国際空港のあるフランクフルトを指す。しかし、ブランデンブルク州ではしっかりと区別した方がいい。というのは、ブランデンブルク州のフランクフルト、それなりの存在感を有しているからだ。
ドイツが再統一した1990年の人口は86131人。その後、ご多分に漏れず、人口は減少し、2021年では56679人。とはいえ、この10年間の人口減少率は5%以下とそれほど悪くない。これは、ベルリンへの通勤圏としても位置づけられることや、トラムなども走っているため、モビリティはこの人口規模としては悪くないこと、さらに1999年1月1日より郡独立市として、行政上は郡と同格の地位を持つようになり、地方行政的には自由度が高くなっているなど、他地域に比べて優位な条件を有しているからであろう。
ということで、前から興味があったのだが、これまで通過はしても訪れたことがなかった。それで日曜日の午後、私はドイツ鉄道の無料券を持っているので、ちょっと足を伸ばしてみた。
この都市で個人的に特筆したいことは、トラムがこの6万人弱の都市で走っているという、もう日本人的には驚きのことが起きていることだ。しかも、なんと3路線(これに+2路線が支線としてピーク時とかには走っている)もある。京都の地下鉄だって2路線なのに凄いことだ。その延長運行距離は19.5キロメートル。1898年につくられたということなので、モータリゼーション以前に整備された訳だが、今でも生き残っている。驚愕の状況だ。その運行主体はフランクフルト(オーデル)の交通公社で、これは現在、ベルリン・ブランデンブルク運輸連合に所属しているようだ。
さて、ただ中央駅に着いてちょっとびっくりした。というのも、トラムの停留所が見当たらないからだ。後で知ったのだが、トラムの停留所はあるのだが、200メートルぐらい中央駅から離れている。この200メートルはちょっと離れすぎで、もったいない。おそらくだが、トラムの方が中央駅より先に出来たため、そのようなことになってしまったのかとも思うが、これは改善した方が絶対いい。人口6万人弱でトラムを運営しているのだ。少しでも乗客が増えるように出来ることはしたほうがいいだろう。
あと街を歩いて発見したのは、非常に坂が多く、起伏があるということだ。もちろん、オーデル川が流れているので河岸段丘的に高低差ができるのは分かるが、川から多少、離れていても坂が多いのだ。こういう坂はベルリンにはほとんどないし、そもそもブランデンブルク州にも少ないのではないだろうか。これだけ坂があるとトラムは便利であろう。そういう地理的な特徴も、人口規模が少ない中、トラムの運営を可能にしているのかもしれない。
そして、人口減少都市においては、このようなトラムがあることはその減少に歯止めをかけるうえでは不可欠だと改めて思わさせられた。日本のように人口減少して、乗客が少なくなり、赤字が増えるとすぐに廃線にするようなことをしていたら、人口減少を加速化させるだけだ。もちろん、フライブルク・オーデルのトラムはド赤字であろう。しかし、このド赤字は公共的な事業であるから許されている。その代わり、このポーランドの国境都市がしっかりと維持できるのである。それは広域地域的にも国家的にも重要なことである。数日前に訪れたハイルブロンに次いで、このトラムの地方都市を維持させていく条件としての重要性を再確認した次第である。
ドイツが再統一した1990年の人口は86131人。その後、ご多分に漏れず、人口は減少し、2021年では56679人。とはいえ、この10年間の人口減少率は5%以下とそれほど悪くない。これは、ベルリンへの通勤圏としても位置づけられることや、トラムなども走っているため、モビリティはこの人口規模としては悪くないこと、さらに1999年1月1日より郡独立市として、行政上は郡と同格の地位を持つようになり、地方行政的には自由度が高くなっているなど、他地域に比べて優位な条件を有しているからであろう。
ということで、前から興味があったのだが、これまで通過はしても訪れたことがなかった。それで日曜日の午後、私はドイツ鉄道の無料券を持っているので、ちょっと足を伸ばしてみた。
この都市で個人的に特筆したいことは、トラムがこの6万人弱の都市で走っているという、もう日本人的には驚きのことが起きていることだ。しかも、なんと3路線(これに+2路線が支線としてピーク時とかには走っている)もある。京都の地下鉄だって2路線なのに凄いことだ。その延長運行距離は19.5キロメートル。1898年につくられたということなので、モータリゼーション以前に整備された訳だが、今でも生き残っている。驚愕の状況だ。その運行主体はフランクフルト(オーデル)の交通公社で、これは現在、ベルリン・ブランデンブルク運輸連合に所属しているようだ。
さて、ただ中央駅に着いてちょっとびっくりした。というのも、トラムの停留所が見当たらないからだ。後で知ったのだが、トラムの停留所はあるのだが、200メートルぐらい中央駅から離れている。この200メートルはちょっと離れすぎで、もったいない。おそらくだが、トラムの方が中央駅より先に出来たため、そのようなことになってしまったのかとも思うが、これは改善した方が絶対いい。人口6万人弱でトラムを運営しているのだ。少しでも乗客が増えるように出来ることはしたほうがいいだろう。
あと街を歩いて発見したのは、非常に坂が多く、起伏があるということだ。もちろん、オーデル川が流れているので河岸段丘的に高低差ができるのは分かるが、川から多少、離れていても坂が多いのだ。こういう坂はベルリンにはほとんどないし、そもそもブランデンブルク州にも少ないのではないだろうか。これだけ坂があるとトラムは便利であろう。そういう地理的な特徴も、人口規模が少ない中、トラムの運営を可能にしているのかもしれない。
そして、人口減少都市においては、このようなトラムがあることはその減少に歯止めをかけるうえでは不可欠だと改めて思わさせられた。日本のように人口減少して、乗客が少なくなり、赤字が増えるとすぐに廃線にするようなことをしていたら、人口減少を加速化させるだけだ。もちろん、フライブルク・オーデルのトラムはド赤字であろう。しかし、このド赤字は公共的な事業であるから許されている。その代わり、このポーランドの国境都市がしっかりと維持できるのである。それは広域地域的にも国家的にも重要なことである。数日前に訪れたハイルブロンに次いで、このトラムの地方都市を維持させていく条件としての重要性を再確認した次第である。