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プレゼント(贈答品)についての一考察 [その他]

プレゼントを学生達からもらった。有り難いことではある。バッグとマフラーとマグカップである。学生達がお金を出し合って買ってくれたらしい。しかし、さて、このプレゼントは3つとも私の趣味ではまったくなかった。とはいえ、こういうのは気持ちが大切だよな、ということで使おうと思ったが、なかなかできない。まず、マフラーは恐ろしく抵抗がある。私が持っているマフラーはポール・スミスのド派手なポール・スミスのレインボー・カラーがしたようなものである。学生がくれたものは、ちりめんの雅的な桃色のもので、それなりに上品だが、どちらかというと渋く枯れたおじいさんがすれば似合うかもしれないが、私のようなZZトップが好きなバンド爺には、アイデンティティ否定のように似合わないし、「贈ってくれるという気持ちが何より大切」と思っても羽織ることができない。バッグも同じように、好々爺には似合うかもしれないが、私には似合わないが、バッグは機能面でそれなりに使えるので、これは機会があれば使いたいと思ったりしている。問題はマグカップである。これも機能面で使えばいいや、と思い、有り難く使おうと思っていた。まったく私の趣味ではないデザインで、むしろ嫌いなデザインであるのだが清水焼だし、高価な品だ。学生の思いをしっかりと受け止めなくては、と思っていたのだが、日々、使っているうちに腹が立ってきた。いや、心が狭いといわれればそのままだが、私のデザイン的価値観とバッティングし過ぎるのである。もう、破壊したいぐらいの衝動にも襲われる。ということで、我慢せずに使うのを止めることにした。
 さて、このような経験から学生には悪いな、とは思うが、そのように思わせるプレゼントはしてはいけないな、とも思う。それは、プレゼントをあげる人に甘えすぎている。ちなみに、これらのプレゼントは、趣味は悪くない。人によっては有り難がられるであろう。しかし、私はポール・スミスもそうだが、還暦を過ぎて、ヴィヴィアン・ウエストウッドで洋服を買うような趣味をしているのだ。ZZトップや椎名林檎が好きなのだ。ちりめんの桃色のマフラーして、ZZトップのコンサートに行く奴はいないだろう。まあ風貌が地味だから、そういう判断をしたのかもしれないが、風貌だけで判断するほどの浅い付き合いでもないだろう。基本、プレゼントは、このように人のアイデンティティと衝突を起こすような洋服や食器、CDや本などはあげない方が無難であろう。いや、よほど自信があればいいけど、それはリスクを負うという覚悟を持ってしてもらいたい。このように書いて、大学時代の彼女が「絶対、買ってあげたいと思っていた」と私にくれたセーターが、まったく悲しいほど私の趣味に合わないので残念な思いをしたことを思い出した。このセーターはブランド品ということもあり、なかなか捨てられなかったのだが、着たことはほとんどなかった。ただ、この彼女は私にはもったいないような女性であったが、もし結婚したら、その点では趣味の衝突があって問題が起きただろうと思ったりもする。
 一方で、前任校の学生達はなぜか私のツボに嵌まるプレゼントをしてくれる。結構、アイデンティティと衝突しそうなアイテムのもの、例えば帽子やキーホルダーであったりするが私の趣味に絶妙に合っていて、大切に愛用させてもらっている。要するに自分の価値観を押しつけたりしないで、相手をしっかりと観察して、もらった相手の気持ちを鑑みてプレゼントを選ぶということが何より重要だということでないだろうか。自分がよければ、そして趣味が客観的によければ相手が喜ぶ訳ではないことは、肝に銘じなくてはならないと自戒を込めて思う。おそらく、本人はそういう自覚はないだろうが、自分が気に入ったものを相手にプレゼントすれば喜ぶ、という考えは相当、傲慢なのではないかなと思うのである。

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