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ドイツの公共交通はこの20年で相当、改善されている [サステイナブルな問題]

1950年代末までは路面電車(トラム)はドイツにおいて最も重要な交通手段であった。しかし、その後の30年間はトラムにおいては苦難の時代となり、多くの都市において、トラムのネットワークが廃線となった。しかし、1990年頃から、このトレンドは転換し、古いトラム路線は改修され、新しいトラム路線が建設されるようになった。ハノーファーではトラム・システムを中央駅周辺で地下化することを行った。同様の試みはデュッセルドルフでも為された。カールスルーエは1992年から直流・交流で走行できる車両を導入し、トラムと郊外鉄道を共同運行することを可能にした。ルール地方のオーバーハウゼンは1996年にドイツで廃線されたトラム路線を再開する最初の事例となった。そして、ザーブルッケンは1997年にオーバーハウゼンに次いで再開することになった。そして、ミュンヘンでは地下鉄と郊外鉄道のネットワークを補完するために新たなトラム路線を営業することにしたのである。 
 私が現在、住んでいるベルリンでもドイツ鉄道はともかく、地下鉄とバスのサービスはとても優れていて、大学のある京都はもちろんのこと、東京とも遜色はない。いや、地下鉄の車両はオンボロであるし、駅も遥かに汚く、そういったインフラのレベルは低い。ただ、サービスというソフト面だけみれば、相当、レベルが高く、自動車の必要性はほとんど感じない。ここでサービスのことをもう少し具体的に説明すると、まず運行頻度である。平日はほぼ5分間隔で走っている。週末は10分間隔ぐらいになるが、それでも使い勝手は悪くない。そして、地下鉄のホームやバスの停留所では、どの程度で次の列車、バスが来るかをしっかりと電光掲示板で明示してくれるのでストレスがない(これは、私がよく利用する京阪電鉄とは大きな違いである)。また、地下鉄では次の駅で乗換をするバスが何時に出発するかをしっかりと車両の電光掲示板で明示してくれるので(そのような電光掲示板がない古い車両ではできていないが)、地下鉄からバスへと乗換をするインセンティブを提供してくれる。そういった点で、意外なことに京都などより遥かにベルリンの方が公共交通を移動手段として信頼できるのである。
 これは、14年前のデュッセルドルフでは感じたことがなかった。もちろん、デュッセルドルフとベルリンとの違いというのはあるかもしれないが、ここ10年間ぐらいでドイツの都市の公共交通事情は相当、改善されているような印象を受ける。ベルリンの場合は、確か2015年頃にモビリティ法を制定したので、それで大きく改善されているということはあるかもしれない。
 私は今、この記事をカールスルーエで書いているのだが、カールスルーエはそうでなくても相当、便利であった公共交通が、さらに地下路線を整備し、トラム・ラインのネットワークを充実させたことで、より利便性を高めている。
カールスルーエは2001年の27万9000人の人口が2021年には30万6000人まで増加している。これは20年で9.6%も人口が増加したことで、これはドイツ平均の2.1%より遥かに大きい。この増加した要因の一つに、優れたモビリティというのはあるかと思われる。モビリティは都市のインフラ基盤として相当、重要な意味を持つからだ。

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